【特別インタビュー】マイクロソフト/ロビー・バック氏に聞く「次世代ゲーム機戦争への戦略」(下)

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Q:ソニーは年末・クリスマス商戦に向けてPS2のソフトを大量投入してマイクロソフトのローンチを抑えようとしています。

A:このタイミングでPS2を買う人は、少なくともコアのゲームファンじゃない。新しいもの好きのゲームファンは360を買うだろう。

Q:次世代半導体「CELL」を搭載したPS3は「ハイテク・モンスターマシン」だと言われています。そういった見方は過大評価だと思いますか?

A:過大評価だとは思わないが、PS3と360を冷静に比較すれば、マシンのパワーはほとんど同じだ。マシンの性能において、両者に大きな差があるわけでない。重要なのはテクノロジーではなくソフトやサービスであって、そういったものを使っていかにマシンのパワーを活用するかという点こそが重要だ。素晴らしいゲームソフトやオンラインという面では、うちのほうが秀でている。うちはオンラインで一貫した戦略性を持ち、加入者も200万人に上る。少なくとも、ソニーのオンラインでは友達とも遊べないし、一貫した戦略性があるとも思えない。

Q:任天堂の次世代機用の奇抜なコントローラーは見ましたか?

A:もちろん。ただ、アイデアとしては面白いけれども、ニッチ戦略のような印象を受ける。ソニーやわれわれがターゲットとする層と任天堂が狙っている層は、違うのではないか。あのコントローラーに興味を持つのは『ちょっとだけゲームをやってみたい』という人たちだろう。私たちはゲームファンを対象としているので、影響はないと思っている。任天堂に関して言えば、コントローラーメカニズムを独特にしたことで、肝心のソフトの面で、いろいろな制約が出て来るのではないだろうか。ソフトメーカーは一つのゲームを(それぞれのハード用に)マルチで供給したいと考えているので、任天堂のユニークなコントローラーに対応したソフトだけを開発するのは難しいと思う。

Q:最後に、マイクロソフトがゲームビジネスをやる意味を改めて聞かせて欲しい。

A:われわれとしては今後、家庭における消費者のエリアで成功することが重要だ。今、家庭の中で、ものすごいデジタル革命が起こっている。写真も音楽もテレビもすべてデジタル化している。マイクロソフトはその環境を改善する重要な役割を演じたいと考えていて、そこからビジネスチャンスが出てくると思っている。だから、デジタル・エンターテインメント分野で大きな位置を占めているゲームでは是非勝ちたいんだ。(了)


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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