●地元志向の名古屋大学

　中京地区の学生は地元志向が強いと言われるが、名古屋大学も例外ではない。強烈な地元志向だ。志望理由では「地元密着型の企業」は12位(3.0％)と中位だが、志望企業を眺めると、地元企業が目立つ。中部電力のほか、トヨタ自動車、豊田自動織機、豊田通商などのトヨタグループが並ぶ。表には出ていないが、デンソー（11位）やアイシン精機（16位）、日本ガイシ（22位）もある。6位のJR東海も地元企業に数えていいだろう。10位の三菱電機も愛知県に拠点がある。

●安定志向とマスコミ志望が混在する京都大学

　志望理由の1位はすべての大学で「志望している業種」だが、その割合は大学によって違う。平均では25％の支持率だが、名古屋大学は19.8％と低く、その他の大学は20％台。ところが京都大学だけ32.8％と高い。


　京都大学の志望企業で目立つのは、同率で3位の三井不動産と三菱地所である。両社とも超安定かつ優良な不動産企業であり、人気ランキングの常連だが、2社がこれほど上位に位置する大学はほかにない。他の企業名を見ても安定志向がうかがえる。
　またマスコミがこれほど多いのも京都大学だけ。NHK、博報堂、朝日新聞社、電通、講談社と5社が名を連ねている。
　安定志向とマスコミ志望、そして「志望している業種」へのこだわりに京都大学の個性を感じる。