電気がなくても営業できるスタイルがあればいい--ディナーレストラン運営のHUGE・新川義弘社長

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電気がなくても営業できるスタイルがあればいい--ディナーレストラン運営のHUGE・新川義弘社長

ディナーレストランの草分け、グローバルダイニングのナンバー2に上り詰め、2005年に独立した新川義弘氏(=写真=)。新川氏が立ち上げたHUGEは、カジュアルレストラン「リゴレット」、ファインダイニングレストラン「ダズル」など、6ブランドの飲食店を東京都内を中心に運営する。

東日本大震災で外食産業はどのような影響を受けているのか。今夏に懸念される電力不足への対応は--。グローバルダイニング時代から数々のレストラン業態を成功させてきた新川氏に最新動向を聞いた。

--震災後の業況は。

直後は非常に厳しかった。特に丸ノ内、六本木などビジネス立地は、計画停電の不安で会社員の帰宅が早まったことや、自粛ムードの影響を大きく受けた。ただ、3月28日から4月3日まで、全店30%割引を行ったところ、客数はすぐに回復した。注目しているのは、この間、客単価が下がらなかったことだ。自粛ムードに耐えきれなくなったのだろう、「来た以上はたくさん食べたい」という思いが、お客さんの心の底にあった見ている。公序良俗を守ることは大事だが、人間として自然なことではないか。

--計画停電時には、どんな対応をしましたか。

「電気がなくても営業できるスタイルがあればいい」と考えた。まず、通常8個のオイルキャンドルを3倍の24個発注。実際は実施されなかったが、吉祥寺店、中目黒店は一時、計画停電の対象となっていたので、いざ実施された場合には、この24個のオイルキャンドルで営業を続けようと考えていた。テストをしたとき、2店の店長は、「むしろ雰囲気が良い!」と興奮していた。レジが使えなくなったときは、複写伝票を使おうとも考えていた。

停電になっても、メニュー面では薪釜があるため、ピザは作れる。オリーブ、サラダ、ハムの盛り合わせといった前菜も常温保存しているので問題ない。スープも常備してあるカセットコンロや薪釜の熱を利用して作ることは可能だ。

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