DICは鹿島工場で顔料生産が一部再開、5月末メド全面復旧目指すが原料不足は続く【震災関連速報】

DICは鹿島工場で顔料生産が一部再開、5月末メド全面復旧目指すが原料不足は続く【震災関連速報】

印刷インキ首位のDICは、5月末をメドに東日本大震災で被災した鹿島工場(茨城県神栖市東深芝)を全面復旧にこぎつけたい方針だ。一部の有機顔料の生産は4月15日に再開した。

鹿島工場は有機顔料とエンジニアリングプラスチックスを生産する。国際企業で国内外で200あまりの工場を持つDICにおける生産比率は、5%以下と推定される。鹿島工場は鹿島コンビナートの中にあるが、エチレンセンターからパイプラインで原料を受け入れて、誘導品を生産するコンビナートシステムの中にはなく、独立している。このため復旧作業も独立して進められている。

一方で、主力のインキは原料不足による供給逼迫が続いている。印刷インキの原料であるロジン(松ヤニの一種)とフェノール樹脂の調達が難航しているのが要因だ。

ロジンは中国産が80~90%を占めている。価格も急騰。ロジン急騰は、現地での松林の減少、労賃の上昇、中国国内の需要増により日本への輸出が減少していることが原因となっている。このためDICなどインキ大手は東南アジアからの原料調達を増やす。

フェノール樹脂の供給不足は、丸善石油化学の千葉工場(千葉県市原市五井南海岸)が、地震に伴う火災によって被災したことが原因である。丸善石油化学はインキ用のフェノール樹脂では国内シェア70%といわれ、この生産停止がDICにも影響している。丸善石油化学の復旧に1年はかかると見られ、DICなど大手は国内の他社や海外からの原料調達多様化を目指している。

日本のインキは世界最高の品質を誇り、ユーザーごとにカスタマイズド(差別化)されているという特色がある。カスタマイズドされていることが、日本のインキメーカーの収益を支えていた。海外製のインキがそのまま使用できる環境ではない。ただ、DICなど大手は現在の需給逼迫に対応するために海外製インキをサンプル輸入して国内に供給することを検討している。

(内田 通夫 =東洋経済オンライン)

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