「ニコニコ超会議」、熱狂の渦に見えた死角 「若き老害」が名物イベントをメッタ斬り

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しかし、だ。メインステージがおしたゆえに、次にこのブースに出演する田原総一朗さんの到着が遅れ、その時間をずっと飯田先生とつなぐことに。こういうハプニングもイベントの醍醐味、か。しかし、この小さなブースで田原総一朗さんというのはどう考えても厳しいと思うのだが、大丈夫だっただろうか?

「いつかはメインステージに行ってやる!」と炎がメラメラしたが、無事に終了してよかった、よかった。

ニコニコ超会議はどこに行く?

さて、レポートはこのあたりにして、個人的な見解を述べることにしよう。結論から言うと、楽しかったし、運営もこなれていた。ただ、これからこのイベントがどこに向かうのか、何を目標とするのか。それが気になった。

今年は、幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホールが会場だ。つまり幕張メッセ完全貸し切りといってもいい状態である。リアル来場者数は15万1115人、ネット来場者数は794万0495人にものぼったという。

会場を広くしたこともあるのか、“人大杉”(人が多すぎ)で渋滞という場面はあまり見かけなかったし、運営もだいぶこなれてきているのだと思う。音がぶつかってうるさすぎるというのはどうかと思ったが。

ただ、幕張メッセを制し、これだけの動員を実現したこの先に、このイベントは何を目指すのかというのが気になった次第だ。

また、参加型イベントと言われているのだが、別にコスプレに独創性があるわけではないし、各ブースではみんながそのフォーマットで遊んでいるので、参加型で、みんなで作り上げているというよりも、踊らされているようにも見えた。

企業や自治体のブースも多数出ていたが、どこまでニコニコ超会議的なノリでやるのかは企業間で差を感じた。ゲームショーやトイショーと変わらないのではというブースも散見された。まあ、企業にとってはそれぞれの方針があるのだろうが。

次回は幕張メッセだけでなくマリンスタジアムにまで広がるのか?会場をさらに大きなところに移すのか?何か新機軸が打ち出されるのか?楽しいイベントであることは間違いなかったのだが、逆に今後が見えなくなってしまった。それが私の感想だ。

でも、来年も行っちゃうんだろうな。もし、仕事がくるならより大きなステージで出演したい。それを目標にもう1年頑張りますかね。

常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家

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つねみ ようへい / Yohei Tsunemi

1974年生まれ。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。リクルート入社。バンダイ、人材コンサルティング会社を経てフリーランス活動をした後、2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師に就任。2020年4月より現職。専攻は労働社会学。大学生の就職活動、労使関係、労働問題を中心に、執筆・講演など幅広く活動中。『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など著書多数。

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