東急が「ニコタマ再開発」の先に描く青写真 沿線価値向上のために何を進めるのか

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二子玉川ライズは渋谷ヒカリエと並んで、東急の2012~2014年度中期経営計画の目玉であった。沿線開発に加えて、東横線―東京メトロ副都心線の相互直通運転開始も2012~2014年度経営計画の中核を成していた。

ただ、3月27日に発表した2015~2017年度の新中計には、東京メトロとの相互直通運転や二子玉川ライズといった前中計のようなビッグイベントの名前はない。完了年度が明記されているものとしては、中央林間駅ビルのリニューアル(2015年度)、渋谷宮下町のオフィスビル(2017年度)などにとどまる。

「今回はじっくりと“次のジャンプ”に向けて仕込んでいく時期」と、中計発表会の席上で野本社長は語った。次のジャンプ、それは2018年以降に次々と到来する大きなイベントを指す。

2018年度以降は大事業が目白押し

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2018年度以降の完成に向け、工事が進められている渋谷駅周辺(撮影:梅谷秀司)

最大級のトピックが、2018年を皮切りに竣工する渋谷駅周辺の再開発。2018年度にはかつて東急東横線が走っていた場所に、35階建ての高層ビルが建てられる(渋谷駅南街区計画)。

2020年には渋谷のランドマークとして期待される渋谷駅街区・東棟が開業する。この街区は3棟の建物で構成される。残りの2棟は2027年までに完成する予定だ。

2019年度には相鉄・東急直通線が開業する。相鉄・JR直通線の羽沢駅(仮称)から新横浜を経由し、東急東横線・目黒線日吉駅までの区間に連絡線を整備する。鉄道・運輸機構が建設を行い、相鉄と東急が営業主体となる。

2020年度までには東横線、田園都市線、大井町線の全64駅にホームドアの設置を完了させる。2020年度とはもちろん東京オリンピック、パラリンピックの開催を意識してのことだ。会場計画の見直しの中で、近代五種の会場を「駒沢オリンピック公園総合運動場」に変更することが検討されている。実現すれば、最寄り駅の田園都市線・駒澤大学駅には多くの人が押し寄せるはずだ。

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