親のせいで周りから孤立する子「2つのパターン」 繊細な人ほど悩みが深い“自分の心の守り方"

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私のところへ相談に来る方は、人間関係や仕事上のトラブルを「自分の責任だ」と思う内在化タイプが多いです。「自分が変わらなきゃ」と思うから、カウンセリングにいらっしゃるんですよね。

外在化タイプは「会社が悪い!」「上司が悪い!」と人のせいにするので、よほど行き詰まらないかぎりはカウンセリングに来ない印象があります。自分が変わる必要性を感じないからだと思います。

子どものころの生存戦略は、多くの場合、大人になってからも使われます。批判的な親のもとで育った場合、社会に出てからも同僚や上司に批判されないよう常に身構え、仕事を完璧にこなすことで指摘を受けないようにするなどです。

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生存戦略が世間の価値観と一致している場合は、特にやっかいです。「親に頼ったりせず、自分の力でなんとかすることで、見捨てられないようにする」という戦略をとった場合、社会人になってもなかなか人に頼ることができません。

社会人として「がんばって自力でやる」ことは評価されますから、「そんなに抱え込まなくていいんだよ。もっと適当でいいんだよ」とはめったに言ってもらえません。どこかで自分を振り返る時間をとらなければ、しんどい状況が続くことになります。

他にも、社会人になってこれまでとは違う分野で働いてみたいと思っても「一度やり始めたことをやめてはいけない。移り気なのは認められない」といった怖さが湧いてきて、転職に罪悪感を覚える場合もあります。

カウンセリングでお話を伺うと、本来はいろんなことに興味が湧いて、あれもこれもとやりたい子どもだったけれど、親から「フラフラ遊んでいないで、ちゃんとしなさい!」「やり始めたことは続けなさい」と言われて、それ以上怒られないよう「親からみてちゃんとしている状態」を目指してきた、という背景がみえてくることがあります。

子どものころに同じ習い事を続けることで怒られることが減り、ときには親が認めてくれたため、親に対する生存戦略が成功体験となって、大人になっても外れにくくなっているのです。

生きづらさを軽くする処方せん

子ども時代の生存戦略を手放すには、「自分は、本当はどうしたいのか」をゆっくり考えてみるといいですね。心と体はつながっていますから、「どんなときに体調がよく、のびのびできているか」と体調面から振り返るのもおすすめです。

自由を感じるとき、のびのびと動けるとき、情熱が湧き出るときなど「自分にとってのいい状態」はどんなときなのかを振り返り、「私はこれがいいんだよね」と受け止めることが、親の声や、子どものころの生存戦略から抜け出す助けになります。

(構成:中原美絵子)

武田 友紀 HSP専門カウンセラー、公認心理師

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たけだ ゆき / Yuki Takeda

技術者としてメーカーに勤めた後、カウンセラーとして独立。HSP向けのカウンセリングと適職診断が評判を呼び、全国から相談者が訪れる。自身もHSPである。著書に60万部超のベストセラー『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)などがある。最新刊は『これって本当に「繊細さん」?と思ったら読む本』(日東書院本社)。

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