原発事故拡大が阻む「おくりびと」の派遣
14日10時現在で福島県内の死者は1282人、行方不明2781人と、岩手、宮城に比べると少ない。だが、福島第一原発から10キロメートル圏内の捜索は未着手のため、遺体の多くは発見されていない可能性がある。関係者の間では、「これからはがれきの下や海からの遺体回収が増え、損壊の程度もひどくなる」との見方が少なくない。
全互協は人的支援のために1チーム10人を10グループにまとめ、福島県の各市町村からの支援要請を待っているが、いつまでも要請が来ないことに戸惑いを隠せない。ただ、実際に要請が来ても応じるかどうかは、「ケースバイケースにならざるをえない」(全互協)と、歯切れは悪い。
福島が陸の孤島となってはならない。一刻も早く身元を確認し、埋葬することが必要だが、見えない壁は予想以上に高そうだ。
(筑紫祐二 =週刊東洋経済2011年4月23日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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