アドバイスは「つまみ食い」で取捨選択せよ 選別のカギは、自分に合うと「感じる」か

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周囲の人は間違いなくあなたのためにアドバイスしてくれていますが、あなたはそれらに盲目的に服従しようとしているだけ。だから選べないのです。アドバイスは主体的に選択しなければなりません。

少し話は逸れますが、迷える子羊さんとちょうどよく似た現象に「合格体験記の読み漁り」があります。合格体験記は、近年の合格者の人が、自分が行った工夫や勉強法、利用した教材などを紹介し、現在の受験生に有益な情報を提供しようとするもので、一定の有用性があります。

しかし、当然ながら、誰しも合格した経験は「1度」しかありません。必然、合格体験記にはその個人に最適化された「属人的な手法」が記載されることになります。受験生それぞれの生活状況や勉強時間、得手不得手などはまさに十人十色。それゆえ、ある合格体験記で紹介されている属人的手法がフィットする層は、ごく限られた範囲なのです。

「とりあえず」実践してみよう

受験生の中には時折、合格体験記を金科玉条のごとく掲げ、サル真似している人を見掛けますが、これには感心できません。ひとつの有力な情報として扱うことは構いませんが、必ず「自分にフィットしているのか」という視点を持つことが必要なのです。

周りの人のアドバイスをどう選べばいいのかも、これとまったく同じ話。ほとんどの人は自分だけの体験に沿って、多くは自分の成功体験に沿って、アドバイスをしているに過ぎません。

その人個人にはフィットした手法でしょうし、あなたのためを思って言ってくれているのでしょうが、それもあくまでその人個人に適した手法。しっかりと吟味し、選択する必要があるのです。

とはいえ、迷える子羊さんからは、「どうやったらフィットしているかわかるんでしょうか?」という質問が飛んできそうです。「やりたいことをやれ!」と言われて「やりたいことはどうやればわかるんでしょうか?」と質問してくる人と同じですね。

そんなもん「やってみなきゃわからん」と言うに尽きます。まずはつまみ食い、が私の主義。私は、仕事でも勉強でも、人のアドバイスや体験記の類を選択する際には、とりあえず試してみます。この教科書がよいと言われれば「とりあえず」本屋で立ち読みしたし、このやり方ならミスが減ると言われれば「とりあえず」実践してみました。

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