「ネガティブ思考に潰されない人」のメンタル術 人気ミュージシャンが教える「客観視」の大切さ

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今年刊行したエッセイ(『吹けば飛ぶよな男だが』)でも、疑問に思ったこと、悲しかったこと、悔しかったことなど、マイナスの感情を扱うことが多かったです。

ただ僕は、嫌なことを嫌のまんま表現することは、格好悪いなと思っています。「これがムカついた」というように、表現を捌け口にすることはプラスにならないし、頭を使わないことでもある。なにより、事実に負けている気がして悔しくなってしまうんですよね。

ですから、それらのマイナスの感情について「どうすれば自分が勝てるのだろう」と考えるようにしています。例えば、打開策を提示したり、面白く笑える話にしたりする。

自分が失敗したことも、どうにかしてプラス思考で表現できれば、自分の中で折り合いがつけられますし、読者の方にも楽しく読んでいただけるのではないかなと思っています。

とはいえ、執筆の途中はネガティブな思考の連続でした。今回はエッセイの他に、小説にも挑戦したのですが、最初に書いた原稿は自分で勝手に没にしました。

小説もエッセイも、プロットを作ることができないんですよ。プロットが書けないので、1万字など、ある程度文章を書いてから、編集者に出して反応を見ていました。

1回目で完璧なものが書けるとは思っていなかったのですが、根本的に自分に自信がないので、思った手応えがなかったのがつらいつらい(笑)。

「よし、やりなおすぞ!」とゼロから構築し直して、そのおかげで等身大なもの、身の丈に合った作品が書けたと思います。

人と話さないと想像力は生まれない

この本を読むまでは、ネガティブな感情との付き合い方について、自分の中で明確なルールを作れずにいました。

ただ、人は自分の中の経験則でしか解決方法を想像することはできないと思っていて。人と喋ったり、話を聞いたりしなければ、他人に対する想像力は働かないので、とにかく人と関わることは心がけていました。

好きな人はもちろんですが、苦手だなと感じる人であっても会いにいくようにしています。そうすることで、悩みや迷いが生じたとき、経験則に基づいて想像したり、打開策を見つけたりすることができるようになってきたと思います。

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