会社を"快適に"休むにはコツがある! 「休ませてあげたい」と思ってもらうには

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「できるかぎり早く予定を伝えることが大前提ですが、大切なのは『もう決めたので、休みます』という事後報告ではなく、『予定があるんですけど、どうやったら休めますか』と相談形式にすることです。

上司としては気持ちの準備もできるので、休み中のシミュレーションもしやすい。何よりも『困って相談してきたカワイイやつ』と上司の自尊心が満たされるので、いい気分で休ませてくれます。極端に言えば、相談する“ふり”でもいいんです。大切なのは『相談して決めた』と上司に思わせることです」

今は休暇の申請をウェブで行い、上司はそれを承認するという会社も多い。ただ、使い方を間違えると、「会社の都合も考えない自分勝手なやつ」と見られるリスクもある。医療関係の会社に勤める女性Bさん(27)は、後輩の休みの取り方に、あぜんとした経験がある。

Bさんの会社は、ワーキングマザーの社員が多いので、子どものイベントなどで休みが重ならないように、いつ休暇を取るか、情報を共有している。ところが、中途入社してきた後輩社員が、まだ入社3カ月なのに、いきなり海外旅行目的で10日の年休を申請してきた。Bさんは怒りが収まらない。

「本来はママ社員の休みを優先させるための情報共有システムなのに、半月前に割り込んで休むなんて、ありえない。新入社員に『休みは早いもの勝ちだから』とか的外れなアドバイスもするし、いい迷惑です」

こういう怒りを買わないためにも、事前に相談して、休暇が職場の中で「想定内」に収まるようにしておきたい。

上司に家族計画も?!

だが、想定することが難しい休みもある。たとえば、妊娠による産休と育休。働き方コンサルタントで「ルシーダ」社長の椎葉(しいば)怜子さん(37)は提言する。

「1人目を妊娠して育休を取ったあと職場復帰したのに、1年もたたずに2人目を妊娠するケースは少なくありません。そうなると、せっかく苦労して1年間やりくりした職場は、上司も含め裏切られた気持ちになり、人間関係はぎくしゃくしてしまいます。その後、いくら『がんばります』と言っても、なかなか信じてもらえません。そうならないためにも、普段から“将来の可能性”を上司に伝えておきましょう。子どもは産みたいけれどひとりでいい、きょうだいがいないとかわいそうだから2人目が欲しいなど、“家族計画”もオープンにしておくと、リスクヘッジになります」

特に男性の上司は、コンプライアンス上、いくら気になっても家族計画など聞けるはずもない。部下があっけらかんと話してくれることで、セクハラも回避できて一石二鳥なのだ。

自分だけが休むとなれば、その理由が何であれ、必然的に「その仕事を代わりにやってくれる人」が必要になる。そのためには、日頃から「お互いさま」と言える関係をつくっておく必要がある。

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