こうすれば子どもは「自発的」に学び始める! 「勉強しなさい」を連呼しても効かない

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おおた としまさ
育児教育ジャーナリスト。麻布中学・高校、上智大学を卒業後、株式会社リクルート入社。長男誕生後に「今子どもと共に過ごせなければ一生後悔する」と思い退職。現在は子育てや教育をテーマに執筆・講演活動を行う。新刊『名門校とは何か』(朝日新書)は書店新書ランキング1位獲得。12歳息子と9歳娘のパパ。

――具体的には、どんなふうにすればいいんでしょう?

おおた:「気づいて励ましてあげる」ということが、とっても重要です。

例を挙げてみましょう。ちょっと自慢話になっちゃいますけれど、うちの娘は漢字がすごく好きなんです。お兄ちゃんもいるので、どんどん自分で新しい漢字を覚えていっちゃう。

だから、同じ漢字を何十回も書かないといけない、という漢字の宿題が、すごく嫌だと言うんですね。まぁ、あれはあれで、精神鍛錬にはなると思うんですけれど。

でもうちの娘は気が強いので、3回くらい書いたらあとは、「もうおぼえました」と書いて、白紙で提出するんです。

(会場から感嘆のどよめき)

最初は僕も「これはどうかな?」と思ったのですが、妻と話して「これはこれで、いいんじゃないの?」と思うようになりました。

自発的に勉強をするように!

そこで担任の先生に「こういう状況で、どうしてもやりたくないと言うので、すみません」と説明をしたら、先生も「まぁそれは、花丸はあげられないけど、認めますよ」というふうに対応してくれたんです。

そうしたら娘はそのうち、自分で漢字の成り立ちとか、熟語を調べたりして、その空欄を埋めるようになったんです。

AYUMI:すごーい!

おおた:これは成功した例かな、と思います。先生とコミュニケーションをとって、僕も励ましたりしたので、娘は「私のことを認めてもらえているんだ」と感じてやる気を出して、自分から次のステップに進むことができたんですよね。

(会場から拍手)

――「どうしてもやる気になってくれない!」というときは、どうすればいいでしょう?

おおた:それも、たぶん皆さんがいちばん気になっているところですよね。答えを言ってしまえば、やっぱり「騙しだまし」やっていくしかないんだろうな、と思います。

いくら「勉強しなさい」と親が言っても、あまり効果がないことは、皆さんよくご存知でしょう(笑)。

だからお尻を叩くだけではなく、騙しだましでもいいから、「あ、それうまくできてるじゃない!」というふうに乗せることも大事です。

いろんなツールを使って、子どもの興味を引き出すようなやり方をできるといいですね。

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