【産業天気図・商社】資源価格高騰の恩恵フル享受、大手商社は史上最高益更新続く

今2006年3月期も商社大手の業績は絶好調、史上最高益更新がほぼ確実な状況になっている。機械、化学、食料(生活資材)など商社の扱う多方面の事業分野で収益成長が続くが、とりわけ今期も商社収益を最大限牽引するエンジンは、原油、石炭、鉄鉱石、銅など資源価格の高騰だ。
 たとえば原油では、期首1バレル=40ドル水準だったのが、8月に入って一時70ドル(WTIベース)を突破、現状でも60ドル台半ばの高値圏に張り付いている。総合商社上位組の場合、原油や鉄鉱石の川上権益を握っているため、資源価格の上昇が、そのまま利益拡大に結びつく構造になっている。
 最新の『会社四季報』予想は、2006年3月期の総合商社の当期利益を軒並み上方修正した。首位の三菱商事では、期首予想の2800億円から3200億円(前期比75%増)に増額。同社は豪州に大きな石炭権益を持つ。今年度の石炭価格が現地通貨建てベースで約8割の値上げとなったことを含め、今期の金属部門の増益寄与度は約900億円ある。通期の原油価格の前提を1バレル=36ドル(ドバイ原油ベース)と保守的に見ていたが、すでに第1四半期実績で48ドルと大きく上回り、第2四半期以降は、さらにこれを上回る水準で推移している。単純計算だが、原油価格が1バレル当たり1ドル上昇すると、三菱商事の通期収益は10億円押し上げられる構造のため、ここでも大幅収益増額要因が発生する。鉄鋼部門の好調も加わり、双日と手を組んだ鉄鋼商社子会社のメタルワンで第1四半期16億円の増額要因が発生している。第2四半期以降も同じペースの収益押し上げ要因が発生し続ける可能性は強い。
 三菱商事と並ぶ三井物産も、状況はほぼ同じ。原油1バレル当たり1ドル上昇に伴う通期収益増額要因は、同社も三菱商事と同じ10億円。得意とする鉄鉱石でも価格上昇の恩恵を受けられる。『会社四季報』の予想する三井物産の今期当期利益は、期首の1700億円から1900億円(前期比57%増)に増額修正した。
【大西富士男記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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