ひろゆき「子供にはタブレットよりパソコン」の訳 低下する日本の幸福度、上げるために必要な事

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社会の寛容度を示す大きな指標として、ボランティアの参加率があるでしょう。実は、日本人は他国人と比較してボランティア活動が極端に少ないことがわかっています。そして、ボランティアへの参加度合いは、幸福度と正比例することがいくつかの調査でわかっています。

つまり、これまで日本人が消極的だったボランティアへ参加していくことで、幸せな気持ちを生むことができ、それによって「寛容さ」と「人生評価・主観満足度」の2つの要素を改善していけるわけです。

かつて僕は、人々の意識調査をするために、ネットでこんな質問をしたことがあります。「あなたが500円をもらえるか、通りすがりの人に5000円を手渡せるとしたら、どちらを選びますか?」。

このときの500円も5000円もどこかから調達されたもので、あなたの懐は痛みません。当然、500円をもらったほうが得はできます。しかし、500円ではファストフード店でハンバーガーを食べるくらいがせいぜいでしょう。それで幸せになれるのは、お腹が満たされた数時間です。

一方で、5000円あれば、それなりのことができます。ちょっといい食事もできるし、映画を観ることも、新しい服を買うこともできます。それによって、誰かが大きな満足を得る様子を見ることができます。それは、自分が500円をもらうより、ずっと大きな幸せをあなたに与えてくれるはずです。

実は、この調査結果では、自分が500円をもらうと答えた人と、通りすがりの人に5000円を手渡すと答えた人の割合は、ほぼ半々でした。さらに、ある調査では、もらったボーナスの中からいくらかをチャリティーや寄付に使った人のほうが、全額自分のために使った人よりも幸福度が高いという結果が出たそうです。

このように、人間は本質的に「他人が幸せに感じることを求める」という一面を持っており、他人に感謝されたり喜ぶ顔を見たりすることで、本人も幸せになるのです。だから、ちょっとのことでいいから、人のためにお金を使ってみたり、ボランティア活動に参加してみることが、これからの日本人には必要なのだろうと思います。

「〇〇すべき」発想を捨てる

「やること」よりも「やらないこと」に着目していくのも大事です。多くの人が、年頭などに「今年は○○するぞ」といった目標を立てますね。

英語の勉強だったり、ジョギングだったり、ダイエットだったり内容はそれぞれでも、「やるのだ」と心に決めます。ところが、その多くは早々に三日坊主で終わります。そして、こうした三日坊主はダメなことだと多くの人が思っていて、すでに意欲を失っているにもかかわらず「やらなきゃ、やらなきゃ」と頑張ろうとします。

でも、それは不幸なことだと思いませんか? 誰かから頼まれたわけでもなく、なんの義務もないのに、やりたくないことを無理してやっているのですから。そんなことはとっととやめて、その貴重な時間をほかの楽しいことに費やしたほうがはるかにいいでしょう。

軽い気持ちでなんでもトライしてみて、嫌だったらとっととやめる。こうした三日坊主の繰り返しは、「自分に向いていないことをどんどん潰していく」という意味もあり、少しも悪いことではありません。

日本人特有の「○○すべき」という発想から自由になって、幸せの総量を増やす生き方を心がけましょう。

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