日本電産、拡大戦略はどこまで続くのか

永守社長「2020年はまだ現役でいる」

創業者でもある永守社長。40年以上にわたって、日本電産を率いてきた(写真は2014年12月の会見、撮影:風間仁一郎)

「2020年までに、売上高を現在の1兆円から、倍の2兆円にする。うち5000億円はM&Aによって達成する」。4月23日に都内で行われた決算説明会で、日本電産の永守重信・会長兼社長は、次なる目標をこう定めた。2030年にはさらに売上高10兆円という目標も掲げている。

事実、同社の業績には死角が見当たらない。2015年3月期は、売上高1兆0283億円(前期比17%増)、営業利益1112億円(同31%増)と、ともに過去最高をたたき出した。

2016年3月期もそれぞれ1兆1500億円、1300億円と前期比10%以上の増収増益を見込む。ただ、これも「保守的」(永守社長)な計画で、実際にはさらに業績を伸ばす可能性が高い。

成長の原動力は車載向けモーターだ。違う部品が使われていた部分をモーターに置き換えていくことで、業績を伸ばしてきた。なかでも現在中心になっているのが、操舵をつかさどるパワーステアリング分野だが、今後はそこで培った技術と販路を生かし、エンジン用オイルポンプなどほかの分野にも展開することで、売り上げを伸ばしていく計画だ。

5年で10社買う

今後5年で1兆円もの増収を達成するため武器にするのが、日本電産のお家芸でもあるM&A(企業の合併・買収)になる。今年2月には独車載用ポンプの大手企業を買収したばかり。売上高500億円規模の会社を1年で2社程度ずつ、車載分野を中心に5年間で10社取り込むことで、5000億円の売り上げアップを図る。

M&Aでも最重要分野は「車載」。現在1970億円の売り上げを、5年後には7000億~1兆円まで引き上げる計画だ。「(HDD用などで使われる)スピンドルモーターの内製化率を100としたら、車載は30」(永守社長)。現在は外注しているピースを内製化し、採算の改善につなげる道筋を描く。

ただ、今後の買収戦略は、これまでと少し方向性が異なるようだ。今回の中期目標では売上規模だけでなく、営業利益率15%(現在は10.8%)も同時に目標として掲げており、やみくもに売り上げを追えばいいわけではない。

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