頑張れ!日本 米国市民の間でも活発な東日本大震災被災者への支援活動

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 以上のように、現在アメリカでは募金活動等が非常に活発で、教育機関での被災者救済のイベントをはじめ、アーティストらによるイベント、民間航空会社による無料の物資輸送、米銀行による日本への電子送金を一定期間無料化、などが行われている。
 
 サンフランシスコのスコットキー小学校では募金1ドルにつき1羽の折り鶴を教室に飾る募金活動で1日に2000ドル以上、ローサパーク小学校では学内オークションで約3000ドルが集まり、クラレンドン小学校が開催したチャリティコンサートでは2万6000ドルが集まった。ベイエリアの大学構内でもさまざまな募金活動があり、サンフランシスコの日本総領事館経由で日本赤十字社へ送られた。

カリフォルニア州からだけではない。ネブラスカ州の農業従事者は4600ブッシェル(1ブッシェル=約35リットル)の穀物を3万1000ドルで売り、日本の被災者に向けて赤十字に寄付した。彼らは7月30日まで、被災者救済の活動を行うという。ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港でも義援金箱が置かれていた。

大震災発生の対策討議も活発に

ベイエリアで、東日本大震災後に利用登録者が増えたのが、サンタクララ郡が2009年から始めた緊急警報プログラムだ。洪水、山火事、災害発生などのメッセージ等を、地元行政側が市民に電話、携帯電話、Eメールなどで通報するシステムだ。避難場所や交通機関の情報などを伝える。こうした災害発生を迅速に住民に知らせるために、自治体が住民の携帯電話、パソコン、iPadなどの情報機器を使い、災害に対応する。
 
 地震保険制度の充実も話題になっている。また、ロサンゼルスやサンフランシスコの古い建造物の耐震構造の問題も指摘されている。スタンフォード大学では国際安全保障協力センター(CISAC)の客員教授で原子力エンジニアリングのアラン・ハンソン博士を迎え、福島第一原発に関し、問題と対策が話された。
 
 カリフォルニアには約1300キロメートルにおよぶサンアンドレアス断層をはじめ、危険な断層が多くある。災害対策が各地で討議され、代替エネルギーに関し研究・開発が進むのはよいことだ。


大型小売店コスコのサンタクララ店に置かれた義援金箱

(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)
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