趣味や特技をコンテンツにして「NFT」で稼ぐ方法 自分の手でできなければAIを活用するのもあり

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ここで、AIを使って作品を作り、NFT化するときの注意点を3つ、解説します。一つめの注意点は、生み出した作品の著作権が制作者のものになるサービスを使うことです。

サービスによっては「作品の著作権は、サービス側にあります」と規約に書かれているものも多いです。そのようなサービスを使って作った作品をNFT化してしまうと、著作権違反になってしまいます。

例えば、先ほど紹介したMidjourney は、無料版で作成した絵の著作権などの権利は、制作者のものになりません。10ドル/月(2023年3月現在)からの有料プランだと、権利は制作者のものになります。NFT化するときは、必ず有料プランで作成しましょう。

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二つめの注意点は、AIで手軽に作成しただけでは、著作権が認められない可能性があるということです。著作物とは「思想または感情」を「創作的」に「表現したもの」です。例えばMidjourneyで「dragon」と1単語だけ入力して出てきたドラゴンの絵が、はたして「思想または感情」を「創作的」に「表現したもの」と言えるのか、ということです。逆に、作成に人間がどこまで関わったら著作物と言えるのか、という話でもあります。これについては、国によっても解釈が違い、議論が今まさにされています。

少なくとも「こういう作品を作りたい」という意図を持って作り、入力する言葉をいろいろ試しながら工夫しながら作品を完成させる必要があります。

三つめの注意点は、文字や文章などで指示するときに「作家名」や「作品名」を入れないことです。入れると作風を真似してしまいます。著作権の中に著作者人格権があり、その中に「同一性保持権」があります。人の著作物を勝手に真似たり、改変したりしてはいけないのです。著作権は国によって考え方や基準が若干異なります。NFTはグローバルに転売できるため、AIアートで作家名や作品名を入れての制作はしないほうがいいでしょう。

以上の注意点を守り、ぜひ、自分ならではのオリジナルの作品を作ってNFT販売にチャレンジしてみてください。

加納 敏彦 NFTビジネスコンサルタント

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かのう としひこ / Toshihiko Kanou

NFTビジネスコンサルタント、ファイナンシャルプランナー。北海道大学卒業後、大手出版社勤務を経て、コーチ業・講師業で独立。こ33歳で、大手金融機関からスカウトされ、ファイナンシャルプランナーに。41歳で、完全中立のお金とビジネスの専門家として2度目の独立。DAOを実践・研究する相互支援チーム「DaoDao.Tokyo」創設メンバー。分散型の対等な関係によって個性と才能を活かして価値を生み出そうと、仲間と実践中。さらにNFTビジネスコンサルタントとしても活動。

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