【産業天気図・スーパー・コンビニ】防災特需で既存店は堅調、後半は新店効果に期待、ただ資産除去債務で純益低調

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 こうした震災特需的な動きがいつ沈静化するかは、福島原発の状況や被災地の復旧度合いが左右するため読みづらいが、年度を通して見れば、高額衣料品など不要不急のアイテムを除けば、小売り売り上げの大きな落ち込みは避けられそうだ。夏場の節電施策や計画停電もしくは輪番休業なども、売り上げ機会ロスと光熱費・人件費などの抑制効果が表裏一体で、営業利益ベースでは大きな変動要因にはならずに済みそうだ。

ただし、流通業界では2月決算会社が多いため、資産除去債務特損の計上で震災影響と関係なく最終減益となる見込みの会社が多い。加えて被災店舗の設備や商品の損失、物資支援による(商品の無償提供としての)損失なども、それほど多額ではなさそうだが純益を押し下げる要因となる。それでも、被災額の一部は保険が適用されるため、それで赤字転落となる企業は大手にはないだろう。
(山川 清弘=東洋経済オンライン)

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