「いきなり!ステーキ」は"非常識の塊"だった 炭水化物抜きダイエットで女性も虜に

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カロリーの計算をしてみると、輸入リブロースステーキ300グラムは789キロカロリーと、1食分にしてはかなりのボリューム。デスクワークの20〜40代女性であれば、1日の必要摂取カロリーのおよそ半分に相当する。

前菜や付け合わせなどを食べる必要がないため、肉だけに食欲を集中させられることも、それだけの量を平らげられる理由の一つだろう。300グラムどころか、800グラム、1キログラムなどと注文する客もいるという。

そうなると、いくらリーズナブルな肉とは言え、1回で5000〜6000円はかかってしまう。そうした客のためもあって、同店ではポイントをためる「マイレージカード」制を2014年7月から導入している。例えば累計3キログラムになると「ゴールドカード」、累計20キログラムになると「プラチナカード」と、食べた量に従ってランクアップしていくというものだ。

カードそのものは100円(税抜き)で購入でき、会員登録すれば誕生月に500円クーポンがもらえるなど、カードのランクによりグレードアップする特典がつく。登録しなくてもOKで、その場合、通常カードは特典がないが、ゴールド、プラチナではドリンク類の無料サービスなどがあるそうだ。

肉100キロで体脂肪率が29%から14%へ

肉を焼く様子は、なんともダイナミックだ

2015年3月末時点で7万1132人の登録者がおり、うち90人は20キロ超を食べたプラチナカードメンバーだという。ポイントを貯めることによるサービス目的というよりは、「これだけ肉を食べた」という記録をつけ、モチベーションを上げる目的でカードを利用している人も多いようだ。

ある50歳代の男性は、100キログラムを達成し、体脂肪率29%が14%に激減。「パワーダイエット賞」として、社員約300名の前で表彰した。「この方が当店に通い始めたのも、肉を食べて脂肪を減らすように医師に勧められたのがきっかけ。最初はライスも断っていましたが、あまりにも体脂肪が減りすぎて、9%に落ちてしまったために、ライスも食べるようになったそうです。不健康に痩せたのではなく、医師にも『とてもいい状態』と言われたそうですよ」(川野さん)。

これを機に、同店では「肉を食べて健康になれることをアピールしていければ」(川野さん)とのことだ。糖尿病専門医などにも推奨されている「炭水化物抜きダイエット」では確かに、たんぱく質の積極的な摂取がよいこととされている。脂身が少ない赤身の肉を選べば体脂肪にはならない、という理屈だ。

ただし、どんな効果が得られるかは、体質や生活習慣にも大きく影響される。そこは注意が必要だろう。

マイレージを着実に積み上げるコアなファンも含め、順調にリピーターを増やす同店では、今年、出店攻勢を掛ける。

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