「新しいウクライナ」がEUの命運を左右する

一歩間違えればEUは地に落ちる

ギリシャとウクライナという2つの危機に直面しているEU

EU(欧州連合)は岐路に立っている。向こう数カ月で過去5年間の成果がはっきりするだろう。EUはギリシャとウクライナという2つの危機に対処しなければならない。

ロシアのプーチン大統領はウクライナに確実な地歩を得ようとしているが、欧州はギリシャに気を取られている。

ウクライナは瀕死状態

プーチンにとって望ましいのは、ウクライナの金融や政治を崩壊させ、不安定にすることだ。軍事的勝利を目指す方針から停戦へ、方針を転換したことからも彼の姿勢がわかる。

ウクライナの立場を悪化させた2国間停戦協定によるプーチンの成功は一時的なものであり、EUにとってウクライナは切り捨てるには惜しい同盟国だ。

問題は、欧州がギリシャと同じようにウクライナにも点滴を打っていることだ。ウクライナはかろうじて息をしている状態で、プーチンには迅速に動けるアドバンテージがある。

私が数カ月前から警告し、2月に実際に起きた金融崩壊で、ウクライナ通貨グリブナの価値は数日で半分に下がり、ウクライナ国立銀行は銀行システムを救済するために大量の資金を投入せざるをえなかった。2月25日に事態は最悪になり、ウクライナ国立銀行は輸出を制限し、金利を30%まで上げた。

ポロシェンコ大統領の説得で、ウクライナの為替レートは2015年予算で基準とされた水準近くにまで戻った。しかし、ウクライナ国内の銀行と企業のバランスシートは危険域に達している。承認されていたIMF(国際通貨基金)の拡大信用供与も不十分になってしまった。

次ページEUが失った価値観を取り戻すためには
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
経済の新常識<br>日本の今を「総括検証」!

追加緩和発動!風雲急を告げる日本経済を緊急解説する。景気、為替、経済対策などを賢人たちが徹底講義。加えて、「今」を読み解くための経済学の歴史、経済統計の見方も説明。

  • 新刊
  • ランキング