急がれる地場企業の被災状況把握 帝国データバンクが伝言板開設

東日本大震災を受け、帝国データバンクは被災地企業からのメッセージを集めた特設伝言板サイトを開設した。適時開示などで情報発信している大手上場企業と異なり、地場の中堅・中小企業については被災状況の把握が進んでいなかった。同社の伝言板サイトは、地場企業の“安否確認板”として注目を集めている。

サイトは「被災地からの企業メッセージ」として、帝国データバンクのホームページ内に開設されている(http://www.tdb.co.jp/message/index.html)。同社の現地事業所を通して青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県にある企業に、被災や営業再開の状況についてメッセージを募集。4月4日の開設から7日午前までに、63社から情報が集まった。

たとえば、カレーなどレトルト食品のPBメーカー、西木食品(宮城県岩沼市)は、本社工場が浸水したと被災状況を伝えるとともに、「仙台市内の工場に事務機能を移し出荷を再開した。本社工場も4月中の再開を目指す。全社員全力で復旧活動中」といったメッセージを寄せている。また、津波で大きな被害が出た宮城県名取市からは、建築資材販売の名取金物が「全員無事、鋭意営業中」と伝えている。

ただ現在情報を寄せている企業は、内陸部など比較的インフラ復旧の早かった地域にあるケースが多い。帝国データバンクが5県で情報収集してきた企業の数は約10万1000社に上るが、「沿海部では経営者が安否不明など、業務再開のメドが立たない企業もある。当社からの企業訪問も困難な状況では、全社の状況を把握するにはまだ時間を要する」(PR委員会の昌木裕司課長)。

また地域には震災前から、後継者不足で事業継続に悩んでいた企業も少なくない。政府が被災地復興策を示すのが遅れれば、こういった企業の経営者が事業意欲を失い、廃業を選ぶ懸念もあるという。

8割弱の企業に影響

帝国データバンクの調査(回答企業数1万747社)によると、震災で自社の経営に影響があると答えた企業は全体の77.9%に当たる8368社に上った。業種別に見ると、81.1%が影響があると答えた運輸・倉庫業が最多だったほか、卸売業、製造業でも8割超が「ある」としている。また、57.6%が今後需要が減少すると回答した一方、需要が増えるとみている企業も19.9%あった。

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