「勉強にコーヒーはNG」記憶プロ解説"超意外"な訳 世界の脳エリートが「摂る食材」「摂らない食材」

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血糖値のこのような急激な変化を「血糖値スパイク」と呼びます。

この名称は「血糖値の推移をグラフにすると、とがった針(スパイク)のような線を描くこと」に由来しています。

血糖値スパイクが起こると、体にはさまざまな不調がもたらされます。

眠さやだるさ、イライラ感などが引き起こされて、結果的に集中力はダウン

また血管を傷つける有害物質「活性酸素」が発生したり、長い目で見ると肥満や糖尿病発症のリスクも高まります。 

集中力低下を防ぐ、血糖値に優しい食材

では、そんな恐ろしい血糖値スパイクを、どうすれば遠ざけられるのでしょうか。 

まずは「脳を働かせるため」「脳の回転を速めるため」などの理由で、糖質を摂りすぎないことです。また、糖質を菓子類からではなく、なるべく食事から摂ることです。

菓子類に使われる砂糖は「二糖類」のため、インスリンが大量に分泌されたり、でんぷんよりも体内で吸収されやすかったり、食後の血糖値をどうしても急激に上げてしまうからです。

一般に1日の必要摂取カロリーの6割ほどを糖質から摂るのが望ましいとされています。

要は1日に2000キロカロリーが必要な人は、その約60%にあたる1200キロカロリーを糖質から摂ればよいのです。

それも砂糖が多く含まれる菓子類ではなく、ご飯や麺類などの主食から糖質を摂るのが理想的です。

ご飯の糖質は主にでんぷん(多糖類)であるため、体内で分解されるのに時間がかかります。そのため食後の血糖値の上昇が緩やかで、腹持ちもよいのです。

食べる順序も大事です。食物繊維と一緒に糖質を摂ると、血糖値の急上昇を抑えることができます。食事の際は「野菜ファースト」、主食を食べる前に野菜から食べることをおすすめします。 

またGI値(Glycemic Index)についても詳しくなっておきましょう。

GI値とは、血糖値の上がりやすさを示した値です。白米よりも玄米。うどんよりもそば。食パンより全粒粉パン。ケーキやせんべいよりは、チーズリンゴのほうがGI値が低い。血糖値が上がりにくいのです。

急激な血糖値の上昇を抑えることが、集中力のムラを防ぐことにつながる。(図『A4・1枚記憶法』より)
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