「飲み会でビールを頼む人」が知らない危険な真実 「少量のお酒なら健康にいい」は間違っている!?

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とはいえ、まだ結論が出たわけではない、と語るのは『健康寿命を延ばす「選択」』(KADOKAWA)の著者で循環器内科医の浅野拓先生です。浅野拓先生は、本のなかで一貫して、自分の体質やリスク、人生における優先順位をなるべく見える化したうえで「選ぶ」ことの大切さを指摘します。

お酒との付き合い方も同じ。「お酒に対する反応は人それぞれ違うので、こういう研究結果が出ていることを知ったうえで、選ぶことが大事です」と、アドバイスします。

私も、お酒は必ずしもやめる必要はないと思っています。ほろ酔い程度の少量のお酒であれば、全身の血流をうながし、リラックスできます。さらに、梅干しや生のレモンを絞った酎ハイや赤ワインであれば、クエン酸の抗疲労効果やポリフェノールの抗酸化作用もプラスされます。

ただし、お酒を飲みすぎれば、体内で活性酸素を増やし、疲れのもととなることは確か。アルコールを分解するために肝臓をはじめとした内臓に負担はかかるため、新たな疲れが加わることも事実なのです。

アルコールの分解能力には個人差があるので、リラックス効果よりも疲れが増さないよう、ほろ酔い程度の量で抑えることが大切です。

二日酔いしやすいお酒、しにくいお酒

そうたくさん飲んだわけではないのに二日酔いになることもあれば、そこそこ飲んだのにスッキリ酔いが覚めることも。その差はいったい何なのか……。

無色透明なお酒よりも色のついたお酒のほうが二日酔いしやすい、という噂を聞いたことはないでしょうか?

あるいは、経験則で、ウイスキーやバーボンなどは無色のお酒よりも二日酔いがひどい、白ワインよりも赤ワインのほうが二日酔いしやすい、などと感じている人もいるかもしれません。

この説は、実は科学的な実験で実証されている、と紹介するのが、脳研究者の池谷裕二先生の『脳には妙にクセがある』(扶桑社)です。この本は、脳が持つ興味深い“妙なクセ”を紹介するもので、その1つが「脳は妙に酒が好き」ということ。そのなかでこんな実験結果を紹介しています。

ミシガン大学のローズノウ博士らが行った実験で、21歳から33歳までの95名を集めて、ウォッカまたはバーボンを酩酊するまで飲んでもらったところ、バーボンのほうが強い二日酔いを引き起こすことがわかったそうです。なかなかパンチのある実験ですね。

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