開業医が抱く危機「コロナ5類で診る医師は減る」 現場からの声「院内感染対策は弱められない」

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ただ、注意点もある。それは“検査結果を過信しない”ことだ。

自宅の検査が陰性で、医療機関の検査が陽性というケースは多くあったため、陰性でも重症化リスクのある人で風邪症状があれば、かかりつけ医に相談することが大切だ。それでも自宅検査が必要な理由は、「陽性なら、その時点で確定とし、抗コロナ薬の処方の検討が直ちに行えるから」(谷口医師)。

リスクのない人が陽性だった場合は、症状が軽ければ受診は不要という。

【対策②】サージカルマスクの着用

次に必要な対策は、サージカルマスク(不織布マスク)を着用すること。

「コロナウイルスはインフルエンザやライノウイルスと異なり、粒子が大きいため、サージカルマスクを着用していれば他人に感染させることはほぼないことは、20年4月に発表された香港の論文が示している」と谷口医師は説明する※。

それでも感染してしまうのは、同じ空間でマスクを外す場面があるから。そこで谷口医師は「絶対に感染させたくない他者に接するときはサージカルマスクを外さない」というルールの徹底を唱える。

また、屋内ではサージカルマスクを常時着用し、飲食は屋外や、天井が高く換気ができている場所で行う、というルールを完全に守ることができるなら、自分が感染した場合の自己隔離も不要になるという。

今年3月13日以降のマスク着用について厚労省は「個人の判断が基本」としているが、自分が感染することを防ぐには、「人混みの中に行くときはマスクの着用が必要」と谷口医師。重症化リスクのない人はサージカルマスクのみ、リスクのある人にはサージカルマスクの上に布マスクを着用する「ダブルマスク法」を勧めている。

すぐ相談できる医療機関を探す

【対策③】「良いかかりつけ医」を見つける

次に大切なのは、「良いかかりつけ医」を見つけておくこと、だ。

コロナやインフルエンザ以外でも、発熱する病気は溶連菌や百日ぜきなど数多くある。5類移行後に発熱して医療機関を受診したい場合は、発熱外来を設けているところを自分で探すことになる。例えば、ケガをした箇所が膿んで発熱し、コロナとは関係がないと思っていても、実はコロナも合併していた、というケースもあると谷口医師は言う。

「とにかく、発熱があればかかりつけ医にすぐに相談するのがいい」

しかし、コロナ禍が始まって以来、私たちの懸案の1つは、“「良いかかりつけ医」をどのようにして見つけたらいいのか”ということではなかったか。

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