コンビニ、百貨店は二重丸、ヨーカドーは30点

鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長に聞く

イトーヨーカ堂は、前期はグループ設立以来初めて、第3四半期(2010年3~11月期)まで単独赤字だった。ここで危機感が出て第4四半期で盛り返し、通期(10年3月~11年2月期)では、わずかだが増益に転じた。今期はさらに上がっていくだろう。

すずき・としふみ 1932年生まれ。1973年セブン−イレブン・ジャパン創業。1992~2003年イトーヨーカ堂社長。2005年から現職。

ヨーカ堂がなぜ悪くなったのかといえば、家電、靴、スポーツ用品、婦人服といった商品をユニクロなどの専門店に奪われたからだ。客がシフトしたのに、依然として、従来のスーパーに対する感覚から脱却できていなかった。

改革度はまあ、まだ30点。もっときめ細かいところに手を入れないと。今までGMS(総合スーパー)は、安さだけを訴求していけばよかったが、今後はたとえばコーディネート提案などで、売り場や商品開発を考えなければいけない。

東京都荒川区に約300坪の三ノ輪店があるが、昔は衣料品をフルラインで置いていた。婦人服も紳士服も肌着も。さらに食品も売っている、非常に効率のいい店だった。だが、今は紳士服でもサイズから何からきちっとそろっていないと、買ってもらえない。近隣の人口密度が高いから、多少難点があってもお客さんに来てもらえる。ところが地方ならぜんぜん来てもらえず、閉店しなくてはいけない。店によっては、ディスカウント業態に変えて商圏を拡大する。

コンビニに飽和なんてない

「コンビニは飽和状態だ」と、よく皆さん言うが、僕はぜんぜんわからない。コンビニは世の中の変化に応じて質をどんどん変えていけるので、飽和などしない。グループでいちばん伸びているのがセブン−イレブン。

昔のコンビニは、若い人たちを中心にした店だった。今は中年から高年、シニア層へ移ってきた。老齢化で人口は減っても、世帯数は逆に増えている。だから、購買の仕方が大きく変わってきている。遠くでまとめ買いするのではなく、近くで便利に買いたい。プライベートブランド(PB)の「セブンプレミアム」も、グループ売上高3800億円の7割弱はセブン−イレブンで売れている。

すぐ近くで、どこにでもあるのが便利な店。だから絶対にドミナントが必要だ。当初は1号店を出した東京都江東区から出なかった。今でも新しい県に店を出すときは、絶対的に私の権限で出してもいいと判断しないと出させない。

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