佐治信忠・サントリーホールディングス社長--自粛モードを続けても日本経済は活性化しない

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佐治信忠・サントリーホールディングス社長--自粛モードを続けても日本経済は活性化しない

東日本大震災の混乱が続く中、サントリーホールディングス(以下、サントリー)は、業界内でもいち早く義援金や支援物資を送るなど、震災後すぐに救援体制を整備した。本業では2010年度決算で過去最高の収益を達成、酒類市場が縮小する中でも独自の存在感を示している。個性的な経営方針を貫く創業家4代目の佐治信忠社長に、日本経済の復興では何をなすべきかを聞いた。(インタビューは3月下旬)

──大震災による影響は。

工場への大きな被害はなかったものの、倉庫や原材料の調達先に影響が出ている。中でも、得意先である業務店の方々は大変な苦境に陥っている。今こそピンチをチャンスに変えていくため、当社グループ社員に流れる「やってみなはれ」の精神を、最大限に発揮していきたい。

──被災地への緊急支援の対応も早かったようですね。

阪神・淡路大震災の教訓と経験を生かし、すぐに決断した。水とおカネが必要だと思い、被災地に向けてミネラルウォーターを100万本、義援金を3億円拠出した。当初は道路が寸断されているなど救援物資がうまく届かない混乱も出ていたが、少し落ち着いてきたようだ。

──業績への影響は。

国内でいえば、売上高の1割前後は減収となるかもしれない。営業利益も一部飛んでしまうのではないかと、現時点では覚悟している。

とにかく今は得意先を精いっぱい支援する。援助物資や商品を届けるだけではなく、事業継続に役立てられる支援も考えないといけない。

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