一生モノになる、「本質をとらえる頭」の作り方 子どものうちに身に付けたい!

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自分の口で説明させてみよう

3.学んだことを説明させる

私は塾で授業をしていたとき、よく次のような方法を使って生徒の理解力を確かめていました。

:では、これで説明終わったけれど、わかったか?

生徒たち:(多くの生徒がうなずく そこで私は)

:じゃ山口君、もう一度説明してみて。

山口君:(え!という顔して)……。

:わかったら、説明できると思うけども、どうかな。それでは木内さんはどう。

木内さん:……。

:わからないのに、わかったようなふりをしちゃだめだよ。

このようなことは頻繁にあります。1回の説明ですべての生徒が理解できるはずはありません。しかし教える側は、決まったように「わかった?」と聞いて、その後、次の単元に移ってしまうことが少なくありません。そして、「わからない状態のまま→落ちこぼれ誕生」となっていきます。

わからないことは、わからないと言ってくれればいいのですが、生徒は場の雰囲気を気にするのか、正直には言いません。そこで、「生徒に説明させる」ということをやったのです。説明させてみると、生徒も自分が理解しているのかいないのかが、はっきりわかります。そして自分の言葉で説明できると、当事者意識が出てきて何がいちばん重要なことか、本質なのかがわかってきます。

このように、3つの方法についてお話してきました。本質というと何か難しい言葉のように思いますが、「要するに何?」という部分のことです。これがとらえられると、あとは枝葉末節という飾り付け部分で、表現をもう少し細かくしていくだけです。

「要するに何?」と自問自答すると、自然とどうでもよい部分は切り捨てられ、「単純化された言葉=本質」が出てくることでしょう。
 

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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