オリックス社長「M&Aで運用資産倍増へ」

成長に向けて資産運用会社の買収を示唆

 4月14日、オリックスの井上亮社長がロイターのインタビューに応じた。写真はインタビューを終えた同氏。都内で7日撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 14日 ロイター] - オリックス<8591.T>の井上亮・執行役社長・グループCEO(最高経営責任者)はロイターとのインタビューで、日本の企業の中で株主還元への意識が高まっていることに関連し、本来経営者は資金を投資に回すべきとの考えを述べたうえで、仮に還元策を強化する際は、自社株買いよりも配当の拡大で行うのが望ましいとの考えを示した。

井上社長は、成長に向けた合併・買収(M&A)の対象として注目する業種に資産運用会社を挙げた。

オリックスは2013年に蘭ラボバンク[RABN.UL]から資産運用会社のロベコを買収しているが、今後さらに買収先を模索し、ロベコの運用資産残高の倍増を狙う。井上社長は世界の資産運用会社の中でトップ20─30位を目指す方針を明らかにした。

ロベコの資産残高は14年12月末時点で2460億ユーロ(約31兆円)で、井上社長によると世界で上位50位以内に入らない。

インタビューの主な内容は以下の通り。

──日本企業の間で株主資本利益率(ROE)の引き上げに対する意識が高まっている。

「株主還元を、すべての企業に対して一律に言うのもいかがなものかと思う。サービス業は(資本を他業種より使わず)ROEが高いが、メーカーはつらい。状況は業態によって違う。オリックスもリーマン危機の前はROEが15%くらいあったが、リーマン・ショック後は1.7%になり、かなり苦労した」

「株主還元をしますと言ってもステークホルダーは株主だけでなく、従業員や顧客などさまざま。ROEを高くして会社をおかしくしたら、その方々に多大な迷惑をかける」

──どのような株主に報いたいか。

「長期、ロングの投資家だ。長期投資家に(報いるに)は配当しかないだろう。配当と成長性を常に維持する。自社株買いをしても、賞味期限はせいぜい2カ月だ」

──還元策としては、自社株買いより増配が効果的か。

「(オリックスとしても)配当は上げていくべきだと思う。(増配について)社内や投資家の意見はさまざまで違うが、いったん上げたら下げられないので、それなりの覚悟が必要。私も、投資した先には配当を上げろと言っている。ただ、100%上げる必要はない。100%上げたら成長が止まってしまう」

「たとえばアリババ<BABA.N>(の戦略)はクリアで、米国で上場し資金調達をして、中国に投下している。その資金は全て新規事業に使っている。われわれも、もっと収益性を高めて大きくなり、ある時にこれで一段落だなとなれば、大幅な増配や自社株買いをしたりする。まだその段階には来ていないということだ」

──株主還元の拡大の圧力にはどう抵抗するか。

「株主還元の話題が毎日報道され、そういうトレンドになっている。ただ、資金は投資に回すのが経営者の基本ではないか。それで本来は会社をよくし、収益性を高め、それが普通だったら株価につながる」

──成長を求めて資金を投下したいのはどの分野か。

「アセットマネジメントは、まだまだ(買収した)ロベコでは小さい。アセットマネジメントはこれから淘汰が始まる。規模感を狙うため、M&Aで増やす必要がある」

──なぜ淘汰されるか。

「中小は徐々に吸収され、ブラックロック<BLK.N>やブラックストーン<BX.N>のような大手が、恐らく生き残る。それに対抗するには57番目でまだまだ小さい。やはりトップ20─30位には入りたい」

「地道にやっても追い付かないので、これはもうM&Aしかない。世界のM&Aをみているが、高くても買うという発想はない」

──買収は国内でもあるか

「国内は失敗した。2年前まではノンコアアセットとして結構売り物があったが、GPIF問題が出てから、急に皆コアビジネスになってしまい(売り物が)ない。ただ、グル―プには投信を販売するオリックス銀行などもあり、ライセンスやアームはある。それを使い、どこまでできるか研究中。(M&Aは)基本的に海外で検討している」

*インタビューは7日に行われました。

 

(江本恵美、浦中大我 編集:内田慎一)

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