学生は「自分の好きなこと」を徹底的に極めよ バランスよく勉強をしても役に立たない

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新子さん、あなたは間違っていません。「いよっ、大統領!」と、むしろ全力で応援したくなります。

拙著非学歴エリートにも書きましたが、やりたくないことや自分の弱みの改善なんぞ放っておいて、自分が好きなことや自分の強みをとことん磨くことが今の世の中で求められる生き方だと思います。私自身、そう信じており、少なくとも今までそうやって生きてきています。

ついでに言うと、自分の弱みの改善なんて考えたことは、これっぽっちもありません。そもそも20年や30年生きてきた中でしみ付いた弱点やクセは、もはや自分の個性そのものです。社会で生きるうえで、どうしても改善しなければならないような致命的なものでないかぎり、そういったものを無理にやろうとすること自体が時間のムダです。自分の興味や強みがあるのに、わざわざ劣っている箇所にフォーカスを当てる必要はありません。そんなことをするからストレスがたまり、自分のいちばんの応援団である自分自身の声が小さくなるのです。

「強み」を伸ばす選択は間違いではない

そもそも学校で習った広く浅い知識は、社会では役に立ちません。社会に出ればわかることですが、平均的な人間に価値はありません。仕事においては、強みを真っ先に評価するのであって、「あいつは○○ができない」という具合に、重箱の隅をつつくような議論にはなりません。

やりたくないことの例として第2外国語を挙げています。10年近くも英語教育を受けながら、英語が苦手な日本人を量産している日本の教育において、第2外国語の授業を頑張ったからといって、それで飯を食っている人はいないでしょう。

とはいえ大学とは、いろいろな勉強や経験を通じ、社会に出た際に自分は何をすべきかを探る場所でもあります。多くの学生は、4年が経過しても自分の進路をつかめないものです。それに対し、新子さんはすでに自分が進む道を決めているわけで、非常に立派なことだと思います。つまり、親御さんが言う「逃げている」のではなく、自分の価値判断に基づいて「選択」をしているのだと思います。

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