日立製作所は電力不足解消に向けガスタービン供給を準備【震災関連速報】

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日立製作所は電力不足解消に向けガスタービン供給を準備【震災関連速報】

日立製作所は東京電力の電力不足解消に向け、ガスタービン発電設備の供給準備を始めた。

東京電力は、休止した火力発電所の再稼働などで今年7月末までに供給能力を1000万キロワット以上増やす計画。大半は被災した鹿島火力発電所と常陸那珂火力発電所の復旧によるものだが、既存発電所へのガスタービン増設などで40万キロワットの能力強化を進めると発表。比較的短期間で稼働できるガスタービンへの関心が高まっている。

日立は中小型のガスタービンを製造。昨年夏には、世界的な需要増から生産能力を年間20基から40基へ倍増させていた。展開しているのは、3万キロワットを中心に、1.6万キロワット、8万キロワットの3機種。いずれも日立の自社開発品で、受注を受けてから生産する一品モノの大型設備と違い、日立の判断で見込み生産することも可能だ。同社は、東電から発注があれば、すぐにでも対応できるように準備を進めているという。

ガスタービンを生産する日立事業所(茨城県日立市)は被災によって停止していたが、3月29日には部分的に生産を再開。4月中には、ほぼ全面復旧する見通しだという。

とはいえ、ガスタービン1基を生産するのに要する時間は最低でも数カ月。受注から数えて数年を必要とする火力発電所用の蒸気タービンに比べれば、かなり生産期間は短いが、それなりに時間がかかるのも事実だ。
(長谷川 高宏 写真は2月、撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)

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