ハーバード研究員が最も大切にする「脳の使い方」 思考回路を変えると仕事がサクサク進むように

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ワクワクした気持ちがなんなのか、よくわからない人もいるでしょう。

ワクワクするとは、本当に自分がやりたいことをしているときの気持ちです。例えば、子どものころ、本当にやりたいことに没頭して、気がつけば長い時間がたっていた――そんな経験を思い出してみてください。

とはいえ、大人になった今、本当にやりたいことが、そう簡単にわからないかもしれません。そんなときにお勧めなのが、「やりたいことリスト」を作ってみることです。

1日5分で脳が変わり始める

これはその名のとおり、自分がやりたいと思うことを100個挙げるものですが、おそらく最初は途中で行き詰まったり、100個どころか10個もない……となったりすると思います。それは、「やりたいこと」ではなく、「できそうなこと」を挙げる人が多いからです。

でも、それでいいのです。やりたいことリストの真の目的は、社会的な目線や、そのときの流行など、外から与えられた制限=固定化した思考回路に気づき、打破していくことだからです。

次に、こう考えて、やりたいことを挙げてみたらどうでしょうか。

・お金の制限がないとしたら?
・時間の制限がないとしたら?
・年齢、若さの制限がないとしたら?
・過去に戻れるとしたら?
・明日、地球が滅亡するとしたら……?

最初よりも簡単にやりたいことを思いついて、リストアップが楽しくなってきませんか? こうして、制限を外してリストアップしたことの中に、本当にやりたいこと=ワクワクしたことがあるのです。

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1日に5分でよいので、やりたいことをリストアップしてみてください。続けていくうちに、これまでならできないと思っていたことも、できる手段を考え始めるというように、思考回路が徐々に変化していきます。そうすれば、仕事はもちろん、日常の些細なことにおいても、時間が余計にかかってしまうことや、途中であきらめることが減ってくるはずです。

ちなみに、ハーバードの同僚たちは、「明日から世界一周をしたい」と言ったときに、そんなのは無理だという人は誰もおらず、ジェット機を安くレンタルする方法や、時間の止め方を真剣に考えていましたよ。

川﨑 康彦 医学博士。脳科学者

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かわさき やすひこ / Yasuhiko Kawasaki

元ハーバード大学医学大学院研究員。専門は神経生理学。佐賀大学医学部大学院神経生理学博士課程卒業。中国医科大学(旧満州医科大学)医学部卒業。研究員としてハーバード大学医学大学院に在籍中、論文がネイチャー関連誌にも掲載される。現在は、「多様な脳の共存、共感、共鳴を通して個々の意識と集合意識の成長」をテーマに研究活動を展開し、それらを通して社会に貢献していくコミュニティIBTA(Impact your Brain and Tuning them All)実現のための活動のほか、固定概念を覆して生き方を変えるためのメソッドをオンラインサロンで伝えている。

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