歩き方が「下手」な人に欠けている2つの能力 馴染み深い行為こそ、人生を左右する?

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周りを観察しない人は、逆にいえば「自分に自信を持っている人」である。自分はこの世界を軽々と渡っていけるという「蛮勇」を持っている。それゆえ、世界そのものや他者に対する「畏れ」が薄れる。「畏れ」が薄れると、その動向も気にならないので、観察力が低下するのだ。

ここで注意したいのは、周りが怖くて自分の殻に閉じこもってしまう人も、実は世界や他者に対する「畏れ」が足りないということだ。

怖さを回避するには、立ち向かわさざるを得ない

世界や他者を本当に畏れていれば、人はそこから逃げ出すのではなく、それを見極めようとするはずである。なぜなら、いかに逃れようと、世界や他者とのかかわりを完全に断ち切ることは不可能なので、その怖さを本当に回避しようと思ったら、逆に立ち向かわさざるを得ないからだ。

それを知りながら目を逸らしているという意味で、殻に閉じこもっている人もやっぱり畏れが足りないということになるのである。

このように、歩き方の下手な人というのは、「観察力」と「畏れる力」が欠けている。そして観察力や畏れる力が欠けてしまうと、人生も上手く渡っていけないだろうから、不幸せになる確率が高くなるのだ。

その意味で、歩き方の上手い下手は、その人の人生を決めてしまうということもできるのである。

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岩崎 夏海 作家

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いわさき なつみ / Natsumi Iwasaki

1968年生。東京都日野市出身。 東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』など、主にバラエティ番組の制作に参加。その後AKB48のプロデュースなどにも携わる。 2009年12月、初めての出版作品となる『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(累計273万部)を著す。近著に自身が代表を務める「部屋を考える会」著『部屋を活かせば人生が変わる』(累計3万部)などがある。

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