切実!「チャットGPT」と節約について問答してみた 人間を超える「節約ネタ」を示すことができるか

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一問一答のほかに、「総論はわかるが、うちはこういう状況で困っている」とさらに具体的な材料を与えれば、もっと別の答えをくれるはず。節約ネタの提供はいまいちだが、相談相手としてはまあまあ役立ちそうだ。

「節約物語」づくりを頼んでみたら

最後に、物語も書けるといわれるチャットGPTにこう頼んだ。

「電気代を節約しようとしてケンカになった家族が仲直りできた話を考えて。どうやって仲直りできたかをポイントに」。すると、こんなストーリーが提案された(原文のままでは味気ないので補足入り)。

【電気代がどんどん高くなっています。ある家族は節約のために、夜になると家族全員で電気を消すことに決めました。それぞれの部屋の電気を消してリビングに集まり、照明の明るさもちょっと暗めにしたのです。

最初は家族みんなが協力的で団らんの時間も増え、いいことずくめに思えました。ところがある日のこと、母親が「こんなに暗いと気が滅入るわ」と電気をつけようとしました。しかし、父親が「せっかく頑張っているんだ、ムダ遣いするな」と反対し、口論になってしまいました。

口論は徐々にエスカレート、しまいには家族全員が不満をぶつけあう事態に。このまま大げんかで終わるかと思われましたが、互いの思いを出し合ったことで次第に落ち着きを取り戻し、話し合って解決しようという気持ちになれたのです。

これからは誰かに我慢を強いるのではなく、皆で電気の使用方法を見直し、必要な場所にだけ電気をつけることにしました。また、LEDなどエコな電球に変えることで、明るさを変えずに電気代の節約にも成功。この経験で家族はお互いの意見を尊重し、コミュニケーションを大切にすることを学び、家族の絆がより深まりました。(めでたし、めでたし)】

いかがだろう。節約は家族で話し合って取り組むことが大事という点、そこは大いに同意する。もし、チャット先生がネット空間にある膨大なテキストをベースに学習しているのだとしたら、それらを読むうちに、多くのトラブルはコミュニケーション不足が原因であると痛感したのかもしれない。

節約ネタの提案はまだまだ甘いが、本質はつかんでいるようだ。さらに節約スキルを磨いたチャット先生と、また問答をしてみたい。

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松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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