米西海岸、震災後の日本人の行動に感嘆、ハイテク業界に危機感も広がる

あのハイテク立国の日本がこんなことになるなんて--。グーグルなど多くのハイテク企業のあるシリコンバレーでも東日本大地震の先行きが注視されている。ニューヨークタイムズなど全国紙だけでなく、地元紙のサンノゼマーキュリーニュースも連日写真入りで大きく報じている。

「ロサンゼルス大暴動と違い、略奪や火事場泥棒が起きないのは驚きだ」「すべてに秩序が保たれ、協力体制が整っている」。震災後、大きな被害を受けた地域でさえ暴動などが起きていないことを受けて、メディアからは次々と賞賛の声があがった。

同時にハイテク企業を中心に支援の輪も広がる。グーグルなどが義援金を寄付したほか、アップルは音楽配信サービス「アイチューンズ」経由で募金できるようにした。また、大手小売店のコスコではレジに寄付金箱を設け、会計の際に「震災被害者に寄付をしますか」と声までかける徹底ぶりだ。

が、事態が悪化していくにつれ、感嘆から懸念へトーンは微妙に変わりつつある。
懸念の一つは、ビジネスへの影響だ。シリコンバレーのハイテク企業はアップル「アイフォーン」に多くの日本製部品が使われるなど、被災地界隈に工場を持つ部品会社との関係が深い。「当社のインフラは大丈夫だが、計画停電や流通網の問題から、生産に影響が若干出ている」(ヒューレット・パッカードのレオ・アポテカーCEO)と日本事業の影響を危惧する声も。今後は、トヨタやホンダなど同じく日本から部品を仕入れている自動車工場へも影響が及ぶ懸念が出ている。

「ヘルスコンシャス」なシリコンバレーの人たちにとって、最大の懸念は相次ぐ原発の破損だ。サンノゼマーキュリーでも、被曝検査を受ける人々の写真入りで掲載。放射能が海を渡ってカリフォルニアへ届いた場合の健康への影響まで報じている。

同州にも4機の原発があり、「今後は水素や水力発電などもっと安全な発電方法か、エタノールなど代替燃料に切り替えるべきだ」と地元住民。別の住民も「カリフォルニアも地震帯なので将来同じ事が起こりうる。原発の耐震強化だけでは対応できない。ドラスチックなエネルギー政策が必要だ」と不安混じりに話す。

現状、オバマ政権は米国内で老朽化が進む原発施設を今後20年間で20機置き換えるという計画に前向き。が、一部有力議員が「日本の事態を注視しつつ、自国と自国民を守るべき」と、建設計画の見直しを求める声を上げるなど、米国の原発計画にも影を落とし始めている。
(アヤコ・ジェイコブソン=在米・サンノゼ)

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