被災地でねじり鉢巻きの活躍を期待、特殊土木工事の日特建設に全ゼネコンが協力要請【震災関連速報】

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 今後の見通しについて同社は、「現時点で具体的なイメージはない。これ以上被害が広がらない工事を優先的に行っただけ。本格復旧となれば別物で、必要な個所は要請に基づいて鋭意調査中」(同)という。

震災以降、株式市場では、受注増への期待で同社株価が急騰。業績への影響として、期末に震災の応急対策が完工高に上乗せされたのは事実。今2011年3月期は、当初計画の単独受注高535億円(前期比1%減)が上振れたもようだ。来12年3月期は、原子力発電所の関連工事の受注が見込みより大幅に減る可能性はあるものの、全国的に防災意識が高まっており、被災地以外でも工事が増える公算は高い。

国や自治体の復旧・復興予算の編成に応じて、受注高は今年度後半から来年度にかけて漸増、年間受注ベースで600億円は達成可能とみられる。ちなみに、現時点で想定されるニーズの高い案件は、(1)工場や岸壁の地表が液状化しないようにセメント注入や金属繊維などで補強する耐震対策、(2)がけ崩れの危険度を示すハザードマップに載った個所の予防工事、(3)石油コンビナートなど海沿いの大地震や津波による被害のおそれがある工場エリアでの地盤改良工事など。

なお、同社と同じような全国規模で展開する特殊土木専業の建設業者は、ライト工業と日本基礎技術の東証1部に上場する2社がある。日特建設を加えた3社は、東日本大震災の被災地における復旧・復興工事に並行して、全国レベルで防災関連工事のニーズが高まるので、今後3年間は着実に業績好調が続きそうだ。
(古庄 英一 =東洋経済オンライン)
写真:(C)Google

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