上司が「悪い」ほど部下がメキメキ伸びる納得理由 教えてくれないし、責任とってくれないけれど

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「理解力の高い人」と付き合っていてもコミュニケーション力は上がりません。自ら考えて努力する必要がないからです。自分自身のことを実体以上に高く評価されてしまったら、もっと高いレベルに達するための努力をやめてしまうのではないでしょうか。

世にいう「いい上司」とは、部下にとって「都合のいい上司」にすぎないのではないでしょうか。都合のいい上司は、知識力を着実につければよい時代には確かに「いい上司」だったかもしれません。しかし、地頭力をつけようとするあなたにとっては、「いい上司」とはいえません。

下図に示すように、ある意味真逆となります。

したがって、こう考えましょう。「悪い上司に当たったら絶好のチャンスである」。もちろん、こういう上司が、「人間として」または「組織人として」よいか悪いか、あるいは、あなたの精神衛生上どうなのかについては別問題である、ということを付け加えておきましょう。

「恵まれた環境」は要注意!

もともとトレーニング環境が整っている場合があります。たとえば、会社の教育環境が整っていて、いつでも好きなトレーニングが受けられるようになっていたり、会社が補助金を出してくれたり、自ら何もしなくても自分に適したトレーニングコースが用意されているような「恵まれた」会社にいる人も要注意です。「自ら考える姿勢」を殺すのにこれほど適した環境はありません。

学習意欲の高い人にとっては、恵まれた教育環境は歓迎でしょう。しかし、そんな場合でも、手放しで喜べません。むしろ警戒すべきだと思います。最初は学習意欲が高かった人でも、恵まれた教育環境が用意されてしまうと、「学びたい」というハングリー精神がそがれていきます。やがて、「自ら考える」という地頭力にとっていちばん重要な「姿勢」を弱めてしまうという皮肉な結果になりかねません。

逆にいえば、「トレーニング環境に恵まれていない」人は、そのことを悲観する必要はまったくありません。むしろ、「自分で考える姿勢を養う絶好のチャンス」と歓迎すべきです。

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