世界の名門大への「近道」マレーシア小中学生留学 「世界で最も人気のある国際資格」取得がカギ

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ただし、必ずしも「松」だけが正解とは言いきれません。

「英語が母国語の先生の話す語彙の多さ」や「教養の高い教師の洗練された立ち居振る舞い」などを重視するなら「松」。でも「将来ビジネスで英語を使う際は、ノンネイティブと話す機会のほうがよほど多い」という考え方もあり、また、熱意ある優秀な先生は国籍にかかわらず存在します。

マレーシア小中学生留学は「海外名門大学進学への近道」であることはぜひとも注目したい部分ですが、マレーシアには、イギリス式以外にも、IB(インターナショナル・バカロレア)式、アメリカ式ほか、多様な学校が存在します。その教育の多様性は、従来型の日本の教育に疑問や不満をもつ多くの親にとって魅力的に映ることでしょう。

3年間以上の期間を想定して英語力という武器を身につけることを目標にするのもいいですし、「ひとまず2年間」と設定して日本の私立中・高、大学受験の「帰国子女入試」を視野に入れるのも1つの選択肢です。

学校選びに不可欠「普段の様子」の見学

では、実際にどのように学校選びをすればいいのでしょうか?

マレーシアのインターナショナルスクールのいくつかでは、長期休みを利用して「スプリングスクール」「サマースクール」といった「体験プログラム」が開催されます。

その学校の施設で実際の先生の授業を受け、寮にも泊まれるなど「インターナショナルスクールの日常を実体験できる」と思われがち。でもこれらは、子どもたちを楽しませ、学校の素晴らしい面をたくさん見せることが主目的の、プロモーションの側面の強い「スペシャルイベント」です。

子どもに「留学への興味」を持たせるために参加させるにはいいですが、それとは別の機会に見学や体験授業をさせてもらえないか、学校に直接メールで問い合わせることをおすすめします。

サマースクールよりも「普段の授業のある日の見学」のほうが、学校の素の姿が見える(写真はテイラーズ・インターナショナルスクール:筆者提供)
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佐知 ゆりこ 教育移住ライター(在カナダ・海外書き人クラブ会員)

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さち ゆりこ / Yuriko Sachi

教育移住と小中学生の英語学習ついて情報を発信するフリーライター。「東洋経済オンライン」の他、アルク「English Journal Online」、朝日新聞出版「月刊ジュニアエラ」他で執筆。noteやTwitterでも情報を発信。3年間のマレーシア母子留学を経て現在はカナダ在住。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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