「たべっ子どうぶつ」に大人が熱狂する5つの理由 かわいい顔して「戦略的かつ地道に」売ってきた

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このようにギンビスでは、「より広い消費者に手に取ってもらうには?」「3世代に愛されるには?」をつねに考えて行動されています。

余談ですが、お子さんに合うお菓子というのは、実はシニアにもピッタリなんですよね。やさしい味わいで栄養価もよく、もし孫が来られなくても自分で食べるおやつとしても優れものなのです。やるな、たべっ子どうぶつ。

IPビジネス面での躍進

3つめの理由が、「IPビジネス面での躍進」です。それを端的に伝えられるのが、下写真のおしゃれな白い箱。実は、あのDEAN & DELUCAから販売されているたべっ子どうぶつなんです。

DEAN & DELUCAとコラボしているたべっ子(筆者撮影)

いつもの濃い目のピンク色にキャラクターがいっぱいの箱とは一変し、白い色を基調とし、ビスケットをなんともオシャレに配置しています。ちょっとインテリアとして部屋に置いてもよし。ちょっとしたプレゼントにもよし。そんな理由から、いつものターゲットとは違う層にも購入されています。

なお、買って食べていただければよくわかるのですが、中身はいつものたべっ子どうぶつなのも面白いポイント。いつものたべっ子どうぶつが約100円なのに対し、このDEAN & DELUCA専用たべっ子どうぶつは約300円。ここでも「かわいい顔して戦略的」が伺えます。

それでも売れるのは、たべっ子どうぶつならではのビスケットの形や英字のプリントを生かし、新しい顧客に合わせたデザインに仕立てている点。強いIP(知的財産)があっての戦略なのです。

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