日立化成、TOTO……再開メド立たない原発周辺の企業拠点【地図で見る震災被害】

日立化成、TOTO……再開メド立たない原発周辺の企業拠点【地図で見る震災被害】

東京電力福島第一原子力発電所(福島県双葉郡大熊町)の深刻な放射能漏れ事故によって、避難や屋内退避指示が出された周辺地域。半径20キロメートル内の避難対象地域は、人が立ち入ることすら許されない。その地域に事業所を構える企業は、工場や営業所の操業停止を強いられるばかりか、復旧作業もできず、再開の見込みがまるで立てられない。

避難対象地域に生産拠点を構える主な企業は日立化成工業、TOTO、セイコーエプソン、携帯電話や車載向けの配線基板メーカーのメイコー、野菜向け農薬メーカーのアグロカネショウなど。企業によっては他工場で代替生産も可能だが、代わりがきかない工場の場合は深刻だ。


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その影響が早くも出始めている。しかもそれは福島から遠く離れた関西の鉄道会社に波及した。

JR西日本と近畿日本鉄道(近鉄)が相次ぎ、列車の運行本数の削減や車両編成の縮小などを発表した。原因はいずれも鉄道車両のモーターに使う「直流電動機ブラシ」と呼ぶ消耗部品の調達に支障が出たためだ。JR西日本や近鉄が主に電動機ブラシを調達しているのが日立化成工業。グループの浪江日立化成工業(福島県双葉郡浪江町)がこの生産を担っている。

浪江日立化成は、原発事故による避難指示地域に立地。現在は誰も立ち入ることができず、操業再開の見通しがまるで立たない。原発事故に伴う放射能漏れの問題がどう収束していくか、いつ避難指示が解かれるかの情勢がまるで不透明だからだ。

このため、日立化成は直流電動ブラシを競合他社に生産委託することも検討しているようだ。日立化成は国内の鉄道向けに推定で5割程度のシェアを握っており、影響はJR西日本や近鉄だけにとどまらない可能性がある。もはや自らの収益を犠牲にする事態も想定しているということだ。

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