東京電力の株主責任は明確にすべき、巨額賠償を払い続けるチッソの例が参考に

東京電力の株主責任は明確にすべき、巨額賠償を払い続けるチッソの例が参考に

原発事故が表面化して以降、売り込まれた東京電力株は、先週末からやや様相を変えてきた。「政府が原子力事業者による損害賠償を定めた原子力損害賠償法(原賠法)の例外規定を初めて適用し、被害者の損害を国が賠償する方向で検討に入った」という一部報道を受け、18、22日は2営業日続けてストップ高を記録。

が、首都圏の浄水場で高い放射性物質が検出されたことなどが明らかになると23、24日は再び大きく売られるなど、値動きの荒い展開が続く。原発事故の修復に手間取り、放射能の被害が広がりを見せるなか、賠償問題が東京電力の経営へ与える影響に、市場は敏感になりつつあるようだ。

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原賠法では、通常は電力会社側の賠償責任を明記する一方、「異常に巨大な天災地変または社会的動乱」による場合は例外として、政府が「必要な措置を講じる」と定めている。規定はあいまいで負担割合が明示されているわけでもないが、東京電力の支払い負担軽減の法的根拠とされる可能性はあるだろう。

だが、T&Cフィナンシャルリサーチの田中一実・日本株情報部アナリストは、「政府救済はやむを得ないとしても、原発による利益を得てきた東電の株主責任は明確にする必要がある。そうでなければ、責任と利益を同一化する資本主義や株式市場の原則を踏みにじることになる」と断じる。

今後の対応としては、株主資本を使い切っても足りない分の賠償金・補償金を国が肩代わりし、日本航空の破綻処理のように一時国有化することが、企業再生も早く、まず考えられる。しかし、対象者の広さや、被曝による後遺症が遅れて拡大するかもしれないこと、農業や漁業への風評を含めた被害を想定すると、賠償金額の確定は難航する危険が高い。何より、福島原発の事故処理自体、すべてが終わるまでには3~5年を要する、と専門家は推測し始めている。

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