「午後の睡魔」に打ち克つには、これをしよう ガムを噛んだりしなくても、これなら簡単

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昼間の睡魔をつくっている原因は何だろうか。例えば夜にスマホのSNSやゲームを行うと、前出のように睡眠を妨げる作用があり、目はギラギラ。深夜2時の睡眠圧力によって眠りにつくものの、早朝6時台の起床時間では頭がボーッとしてしまう。このような睡眠不足の状態では、昼間の眠気も強くなりがちだ。

夜しっかり眠るための条件とは?

「日本人の平均睡眠時間は6時間台と報告されています。米国の疫学調査で、7時間の睡眠時間は死亡率が低いとの結果もあるだけに、日本人は睡眠時間が短いといえます。20代~50代の睡眠障害の人も多い。しっかり目覚めるには、まずは夜の睡眠を7時間とることをお勧めします」(同)。

夜ぐっすり寝るためには、昼間の目覚めるための方法を逆にするだけだ。夕食をとり、歯を磨き、スマホは見ずに翌日の準備を整え、本を読み、音楽を聞くなどして、副交感神経を優位に導き、リラックスする。そして、布団の中で「額が涼しくなる~」「お腹が温かくなる~」と、昼間とは逆のことを繰り返すと、寝つきが良くなりやすいそうだ。

「睡眠不足の状態が続くと、食欲を増進させるホルモンの一種グレリンが分泌されやすくなり、体重が増えるだけでなく、生活習慣病などに結びつきます。不眠による糖尿病や高血圧の発症リスクは、そうでない人と比べて2倍以上といわれているのです。昼間しっかり起きるためだけでなく、健康のために毎日7時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。また、うつ病の人の自覚症状として、不眠や食欲不振なども特徴的です。夜眠れないだけでなく、早朝覚醒といって夜中に目が覚めてしまうのです。眠りたいのに眠れないときには、一度、専門医に相談してみると良いと思います」と古賀教授はアドバイスする。

安達 純子 医療ジャーナリスト

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あだち じゅんこ / Junko Adachi

東京生まれ。医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。大手企業のOLから転身。フリーランスの雑誌記者としてさまざまなジャンルの取材を行う中で、病気の発生メカニズムに興味を持ち、医療関係の記事の執筆に比重を置くようになった。現在は、先進医療といった最新の医療状況をはじめ、免疫疾患や感染症などに強い関心を持つ一方で、生活習慣病といった身近な病気を対象とした記事を数多く新聞等で連載中。身体に個人差がある中で、その人にとっての健康とはなにか。病気の仕組みはどこまで解明できるのか。また、未知の病気の正体はどこにあるのかなどをテーマに現在取材を進めている。

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