日本人が陥りがちな「英語学習」6つの誤解 楽な道はないが楽しめる道はある!

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「それでは不安だ」という方も、文法書は駆け抜けるイメージでやってみるといいと思います。いくら英語が成長しても、細かな不安な文法事項はいくらでも後から出てきて、何度もそこに戻ってきます。まずは、バランスよく必要なことをカバーしたら、引っかかったものを随時取り上げて調べる、くらいの意識でいきましょう。文法書は一度ですべてカバーするのではなく、けがをするたびに何度も何度も取り出す救急箱のような存在です。実用レベルでの成果にまずは貪欲に。

気の利いたフレーズは出番が少ない

間違いその3 「気の利いたフレーズを覚える」

これ自体は悪いことではありません。「You can say that again!( いいこと言うじゃん!)」「That's really something.(大したもんだね)」といったフレーズは驚きや未知のものに触れる新鮮さでもって英語学習者を引きつけます。ただ、いくら覚えても英語での会話は一向にスムーズにはなりません。

なぜでしょうか? ここで注意したいのは会話の仕組みです。これらの気の利いたフレーズは、使うことがあるとしてもかなりかぎられた頻度なんです。なんなら言わなくても会話に支障がないものがほとんど。それよりも会話の屋台骨を成しているのはもっと基礎的な文章を口にできる力。「I want to~」や「I want you to~」の方が圧倒的に回数が多い。

つまりは身に付けるべき順番の問題なんです。幹があって、初めて彩りの鮮やかな葉っぱがつく。基本的な動詞である、「have」「get」「make」「take」などが軽やかに使える力のほうを、断然、先に身に付けなければいけないのです。変わり種のアクセサリーではなく、着回しのいいシャツをまずは手に入れましょう。

間違いその4 「声に出さない」

すべての言葉は、文字より先に音が来ます。音を目に見える形に落とし込んだものが文字なのです。人類の歴史をひもとくまでもなく、「声に出す」「声を聞く」という「音」のアプローチは、言葉を学ぶうえで本当に大事なプロセスです。

ただ、日本人であるわれわれは、学校教育の中であまり「音」に頼った学びをしてこなかったので、この「声に出す」というごくごく当たり前のことをせずにここまで来るケースが多いのです。必ず声に出してみましょう。

言える言葉は聞きやすくなります。聞ける言葉は理解しやすい。理解しやすい言葉は言いやすい。この良サイクルを生み出すための最たる要素は、「声に出す」というプロセス。音読という言葉を使うまでもなく、見たものを声に出して読んでみる、これが英語を話すという意識に最も効くんです。

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