「共産党」大揺れ、改革訴えた党員「除名」で待つ試練 党首公選制導入を否定、問われる志位長期体制の可否

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そうした中、松竹氏の除名処分を受けて、朝日新聞が2月8日付社説でその対応を厳しく批判したことについて、志位氏は同9日の会見で、

「あまりに不見識だ。私たちが規約違反の事実で(松竹氏の)処分をしたことについて、共産党が異論を排斥する党だというが、異論を持ったから排斥しているわけではなく、公然と外から攻撃したことを問題にしている」

「もう1つは、彼(松竹氏)を善意の改革者であるかのように持ち上げているが、それならなぜ、党の規約にのっとって、正式のルートで一度も意見を述べることをしなかったのか」

などと指摘。

「(朝日は)『結社の自由』をどう考えているのか。それをまったく無視しての、乱暴な攻撃だ」と口を極めて反撃した。ただ、その中で「大手新聞を名乗る産経新聞が社論として掲げた……」と口走り、記者団からとがめられてあわてて訂正、(産経に)謝罪するという一幕もあった。

志位氏「共産党はポスト争いとは無縁」

会見での志位氏の主張は「共産党はそもそもポスト争いとは無縁な党だ。皆、国民の苦難の軽減、平和、社会進歩のために私利私欲なく頑張ろうということで、地位や名誉や金もうけをするために入っている人はいない。そこに党首公選なるものは合わない。あらゆる角度から見て、党首公選を押し付けるのは道理がないと思っている」というもの。

そのうえで、朝日新聞の批判を「悪意」と決めつけ「悪意で党を攻撃する者に対しては、私は断固として反撃する。これをやらなかったら私たちは責任を果たせない」と言いつのった。

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