Pepper開発者が語る「芸人とエンジニア」の共通点 「人を楽しませたい。だから私は両方やる」

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──学業に芸能活動にエンジニアの仕事に……毎日多忙だと思いますが、ロボット開発を今も続ける理由は?

やっぱり、楽しいからですね。

例えば、ロボットが話すセリフを考えたり、どれくらいのスピードで話させるか検討したりするのが好き。「話すの遅すぎない?」とか、「ちょっとペラペラしゃべりすぎじゃない?」とか考えながら、いろいろ試してみるんです。

会社の人たちもみんなロボットが大好きで、上司はロボットと一緒にサッカー観戦へ出かけるほどのツワモノ(笑)。企画会議では突拍子もないアイデアも出し合えて、それも楽しいですね。

結局、ロボットづくりも芸人の仕事も、私の中では「人を楽しませる」手段で、何のためにやるかは共通しているんですよね。

「お笑いや音楽はどこか抽象的というか、正解がわからないものですが、プログラミングは正しく書けば、そのとおりに動く。成否が明確なので、うまくいったときに得られる達成感は大きいです」(写真:エンジニアtype編集部)

あと、エンジニアとして会社で働いていることは心の安定にもつながっています。

お笑いや雅楽だけだと、どこか根無し草のようで不安ですが、エンジニアとして生活基盤をしっかり整えることで、そのほかのやりたいことにも全力で取り組める。今は生活費に加えて学費も必要なので、安定した収入があることによる安心感は大きいです。

「お笑い×音楽×プログラミング」

──今後カニササレさんが作ってみたいものは?

今は、「音楽×エンジニアリング」で、AIに雅楽を作曲させてみたいなと思っているんですよ。

雅楽の譜を、洋楽の五線譜に変換して、AIに学習させれば技術的にはできるのですが、かなり手間がかかりそう。やり方自体はわかっているので、もう少し時間ができたら着手したいです。

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