スシロー、寿司テロ騒動後に社長が見せた「巧さ」 緊急時こそ消費者とのコミュニケーションが重要

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「スシロー全店において、当該事象発⽣の有無、発⽣していた場合その時期、被害に遭ったお店の特定などの調査を進めており、対象となりうる店舗では消毒などを進め、また、早急に警察と相談させていただきながら刑事⺠事の両⾯から厳正に対処してまいります」(1月30日付プレスリリースより)

そして2日後には、対象店舗名と防止策に加え、被害届の提出、当事者へ刑事と民事の両面から「厳正に対処」すると明言。動画拡散を把握した当初は、事実報告(対応1)に徹し、店舗特定後に防止策とあわせて進捗報告(対応2)する流れとなっている。

株価が一時急落も、ネット民の声で事態が好転していく

今回の事案では、あきんどスシローの親会社である「FOOD & LIFE COMPANIES」の株価への影響も一時報じられたが、インフルエンサーが「#スシローを救いたい」のハッシュタグで、応援投稿を呼びかけたことを期に、事態は好転する。

日本のツイッターでは、ハッシュタグがトレンド入り。それを受けて、スシロー公式ツイッターには、あきんどスシロー・新居耕平社長による、感謝のメッセージが投稿された。

「#スシローを救いたい 沢山の応援の声をいただき 大変ありがとうございます。涙がでるぐらい感謝の気持ちでいっぱいです。うまい寿司を安心して ご提供するために 我々が出来る お客様に精一杯を 実施していきます」(新居耕平社長のメッセージ、改行をスペースに置換)

普段は投稿されない社長名義の謝辞(対応3)とあって、このツイートには投稿から1週間ほどで約7万リツイート、約44万いいね、インプレッション(閲覧数)は約3000万と、多くのネットユーザーから反響が出ている。

ハッシュタグ起点のエモい(感情を揺さぶる意味のネットスラング)コミュニケーション(対応4)は、社長ツイートだけではない。ハッシュタグ拡散の原動力になった音楽グループ「Repezen Foxx(レペゼンフォックス)」DJ社長さんをはじめ、ラファエルさん、はじめしゃちょーさんといった人気YouTuberから、回転寿司愛をつぶやいた漫才コンビ「霜降り明星」せいやさん、そしてスシローを利用した一般ネットユーザーに対しても、スシロー公式から直接リプライ(返信)を送った。

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