東大ママ門は見た!米国ワーママのリアル 働きやすいが、高額な保育料に悶絶

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「米国の保育料はとにかく高い」という話は2006年法学部卒、1歳3カ月のお子さんがいて、留学後に夫とともにニューヨークの法律事務所で働いているBさんからも挙がりました。

<公的補助がいっさいないので家庭の負担が大きい>
  ニューヨーク・マンハッタンの保育園の保育費は、0~1歳児クラスで月に2000~2700ドルくらい(約23~31万円)。保育コスト自体は日米でそれほど変わらないと思うのですが、公的補助がいっさいないので家庭の負担が大きいです。
 これだけの額を支払うのに、ビル内の施設で屋外の園庭がないというのが普通ですし、離乳食が完了するまでは昼食・おやつが出ないため毎日お弁当持参という園が多いです。保育時間も8時から18時(延長しても18時半まで)です。
 保育の質は、思っていたよりはよかったですが、日本のようなきめ細やかな保育は期待できません。お願いしたこともすぐ忘れられるので、何度もしつこく言わないと伝わらないし、息子の保育園での様子について聞いても、「すばらしかったよ!」と返される程度なので、具体的に質問して聞き出さないと息子の様子は見えてきません。

 

日本の保育園で連絡帳に毎日食べたもの、食べ残したものまで丁寧に書いてくれるきめ細やかさは貴重なものなのですね!Bさんは次のようにもおっしゃっています。

<フルタイムのナニーは保育園の月謝以上>
 保育園に預けずに、フルタイムでナニーを雇っている家庭も多いと思います。保育園の月謝も高いですが、フルタイムでナニーを雇うと保育園以上にお金がかかります。ナニーを探して何人も面接したけどいい人が見つからず、とりあえず保育園に入れることにしたという人もいましたし、保育園とナニーを両方使っている人もいます。
 保育園では、平日の午後に行事が設定されることが多いのですが、多くの家庭が父母両方で参加しています。送迎で見かける父母の割合は半々という印象。夕方のお迎えの時間に帰れる労働時間で、高額の保育費と高額の家賃を支払えるというのは一体どういう働き方をしているのだろう……と気になってしまいます。

家族の事情で休むのは当たり前

それでは、米国人はいったい、どのような働き方をしているのでしょうか。1991年卒で、お子さんが1歳半~3歳半だった2005~2007年の2年間、子連れで米国ニューヨークに赴任されたというCさんにお話を伺いました。

Cさんは、「海外に行きやすいのは、子どもが小さい今しかない」と手を挙げ、夫は東京に残り、実の両親に交代でニューヨークまで手伝いに来てもらって、この2年間の赴任を実現したそうです。

<家族の予定を優先するのは当たり前>
 向こうでは、たとえば事務所近くまで用事で家族が来る機会があれば、必ず事務所スタッフみんなに紹介をします。また、自分の子どもを含む家族の事情を名前入りで話し、素直にほめます。夜の会合が少なくランチミーティングが多かったのもよかったです。
 仕事のアポイントメントでも「アパートの水道が故障して、今日修理がくるので、行けなくなった」「孫の学校が急きょ休みになり、ベビーシッターをしなくてはならなくなった」と言ってキャンセルになることもありましたが、これは普通のこと、お互いさまという感覚でした。
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