同志社大学・太田肇教授の新モチベーション論(第1回)--月間MVP目指してモチベーションアップ

同志社大学・太田肇教授の新モチベーション論(第1回)--月間MVP目指してモチベーションアップ

表彰は多くの会社が取り入れており、なじみの深い制度だ。しかし実際には制度がマンネリ化し、惰性で継続しているようなケースや、表彰に手間とおカネはかけても効果が上がっていないケースがある。表彰は活用の仕方次第で社員のやる気を引き出し、職場を活性化して生産性のアップにつなげる有効なツールとなる。最近は従来型の制度に加えて新しい制度を取り入れたり、選考方法や授賞基準を改善したりする企業も増えてきている。

私たちは2008年に日本表彰研究所(事務局:株式会社山城工芸)を設立し、表彰制度の研究と普及・啓発に当たっている。これまで集めた事例の中から、社員の動機づけに参考となるものをシリーズで紹介していきたい。

目標管理制度の問題点の1つに、目標達成に向けた努力はするが、それ以上の成果を上げようとしなくなることがあげられる。目標を100%達成したかどうかで評価されるからである。会社としては100%の達成に甘んじるのではなく、120%、150%を目指して自発的に努力してほしいものだ。

そこで注目したのが、大阪に本社を置くマツ六(バリアフリー建材メーカー、建築資材専門商社、従業員237名:11年1月1日現在)という会社の「月間MVP」制度だ。

「月間MVP」は毎月の目標に対する売り上げと利益の達成率、前年度比を基準に選ばれる。達成率のランキングは社員がパソコンでチェックできるようになっているので、営業マンはライバルが120%なら自分は130%というようにMVPを目指してしのぎを削る。

受賞者には小さなトロフィーが贈られ、それを一か月間、自分の机の上に置くことができる。営業マンにとってはそれが誇りとなり、優秀な営業マンになると年に一度は「月間MVP」を取りたいと思っているようである。営業マンたちは一種のゲーム感覚でMVPを目指して競争するので、営業マンのモチベーションアップに大きな効果がある。目標の達成率を100%に抑え、残りを翌月に回すような者はいなくなったそうだ。

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