日本の景気は思ったよりも良くなるかもしれない 家計に眠る「巨額の金」に加え、意外な追い風も

✎ 1〜 ✎ 154 ✎ 155 ✎ 156 ✎ 最新
拡大
縮小

当初、中国共産党は2023年夏時点での政策転換を考えていたらしい。冬よりも夏のほうが、感染を抑え込みやすいから、それ自体は自然な発想である。

しかし昨年秋時点で感染拡大が止まらなかったこと、「白紙デモ」で国民の反発が高まっていたなどから、「だったら一度にやってしまおう」「苦しむ時期は短いほうがいい」「その代わり、2023年は一気に経済活動を軌道に乗せよう」と考えたらしい。

「中国経済上振れ」なら日本経済には「追い風」に

そうだとすれば、今年の中国経済は「ダウンサイド」よりも「アップサイド」のリスクを見込んでおくべきだろう。つまり、景気が上振れする確率のほうが高いのではないか。それもまた、今年の日本経済にとっては「追い風」ということになる。端的に言えば、年後半にはまたまた数百万人単位で、中国人観光客が押し寄せてくるかもしれないということだ。

最後にIMFの世界経済見通しにおいて、今年の日本経済は1.8%成長ということになっている。これは先進国の中ではもっとも高い数値である。新春経済講演会において、筆者はいつもこんなふうに説明している。

「今年の日本経済は『小吉』のおみくじみたいなものです」

おみくじを引いて、「小吉」で大喜びする人はあんまりいないだろう。とはいえ、今年の「小吉」にはそれなりの有り難みがあると言えるのではないだろうか(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。東京新聞杯の勝ち馬は?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT