低気圧つらい人は自律神経を甘く見てはいけない 「頭痛」「だるさ」気圧と体調の"密接な関係"

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首には自律神経がたくさん走っています。そのため「ふだんから胸鎖乳突筋と呼ばれる首の筋肉を伸ばし、柔らかくするストレッチを習慣にしておきましょう」と言うのは鍼灸師の森田さん。

森田さんによる、おすすめストレッチは次のとおりです。

(画像:『しんどい低気圧とのつきあいかた』デザイン 装幀新井)

まず左手で右胸の鎖骨を探し、鎖骨の上縁を人さし指全体でおさえます。

そのまま左上を向くと、胸鎖乳突筋が伸ばされます。

その状態で深呼吸すると、気持ちよさを感じるはずです。

胸鎖乳突筋は息を吸うときに使う筋肉の1つで、硬くなると呼吸が浅くなります。ここをストレッチで伸ばすと、耳の付け根にあるリンパの流れがよくなり、首の疲れや顔のむくみがスッキリ。 

森田さんは、「スマートフォンやパソコン、ゲームをしているときは、頭を前に出した姿勢になりがち」だと指摘。頭を前に出す姿勢が続くと、胸鎖乳突筋が硬くなりやすいとのこと。

中にはうつむき加減で、気づかないうちに呼吸が浅くなってしまっている人もいます。この場合は十分な酸素が体内に行き渡らないストレスから、交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすくなります。

「頭は重く、前に15度出すだけで首には余計に7、8キロの負担がかかっています」(森田さん)

背筋を伸ばして「骨盤の上に頭が乗っている状態」を意識することもおすすめです。

腹式呼吸も気圧対策に最適

気圧の変化を乗り切るには、腹式呼吸を取り入れるのもおすすめ。

(画像:『しんどい低気圧とのつきあいかた』デザイン 装幀新井)
『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

まずあおむけに寝て両足を骨盤の幅に開き、膝を立てましょう。

その姿勢で鼻から息を吸いながらおなかをふくらませ、「は〜」と口から息を全て吐き出しおなかをへこませます。息はしっかり吐き切るよう心がけましょう。

これを10回1セットで、2セットすると気分もスッキリ。

吐き切るとおなかのインナーマッスルが内臓の働きを正常に戻し、自律神経が整いやすくなります。

取材協力・監修
舟久保恵美
/気象病研究者、医学博士。慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師。内田洋行健康保険組合保健師。日本で唯一、低気圧頭痛を専門にする産業保健師。
森田遼介/はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、TC鍼灸マッサージ院院長。埼玉県を中心に往診治療を行う。自律神経の調整を得意とし、根本治療に特化した施術で人気。 脳梗塞リハビリセンターでは鍼灸も活用したボティケアを提案している。NHK「あさイチ」などのメディアにも出演。
頭痛ーる編集部
ずつーるへんしゅうぶ

「頭痛ーる」は「気象病」と呼ばれる、気圧の変動が起こす頭痛などの痛みに注目し、気象予報士が考案した気圧予報に基づく体調管理アプリ。2017年度グッドデザイン賞を受賞。月間利用者数100万人以上。累計ダウンロード数は 1000万を突破。「頭痛ーる編集部」では、低気圧頭痛・気象病を予防する方法・対策からお天気と暮らしのことなどを発信している。頭痛ーる提供元:ベルシステム24

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