新潟・湯沢のリゾマンいきなり「爆売れ中」の真因 一時10万以下もあったが、200万超え物件も

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上がったとはいえ人によってはキャッシュで買える額である。それなら実際の物件を見て検討してみようかという気になっても不思議はない。そして、見ると決まるのである。「弊社の場合、見学した2組に1組は決まっています。成約率50%です」(角谷氏)

では、なぜ決まるのか。これが2つ目だ。秘密は維持管理のよさである。10万円という価格のため期待せずに行ってみると、いい意味で期待を裏切るのだ。手入れの行き届いた館内、大浴場、スキーロッカーなどのある物件が多く、これならいいじゃないか!となるのだという。

きれいな状態が保たれているワケ

実際、駅前にあるリゾートマンション最上階の部屋を大幅に指値して30万円で購入した大手不動産ポータルサイト勤務の加藤哲哉氏は外観からはお化け屋敷みたいと思っていた同物件を見学して驚いたという。

「朝9時から夕方5時まで常駐のフロントサービス、数人がかりで毎日清掃する館内、24時間使える大浴場もあってスキーヤーには必須のスキーロッカーなどもしっかり手入れされている。荒れて見えたのは和室が多く、破れた障子が外から見えるせいでした」

室内や設備は古いものの、リフォームなしでも住めないわけではなかったが、コロナ禍で本格的に湯沢に住むことを考えてリフォーム。その後、環境だけでなく、飲食店の充実ぶりや人間関係などといった湯沢暮らしの快適さに住民票も移したという。

家の中
加藤さんはリフォームをして住んでいる(写真:筆者撮影)

リゾマンは大浴場やプールなど共用施設が多いため、管理費、修繕積立金が一般の居住用マンションに比べて高いのが購入・所有時のデメリットだが、それが一方で物件を良い状態にキープしているのである。

しかも、湯沢エリアでは管理費や修繕積立金の滞納があるマンションは管理組合や、管理会社が積極的に督促を行っており、放置されることが少ない。滞納が続く場合も管理組合が買い取るなどで被害が甚大になる前に手が打たれている。

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